*

「鉄旅日記」2020年初秋 3日目(高松)その2 ‐金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅師墓 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/04 旅話, 旅話 2020年

車旅日記2020年9月21日・・・金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅師墓(友が運転する車でたどった道でございます)

11:23 金刀比羅宮

コロナ禍ではございますが参拝客は多く、駐車場の多くが埋まっております。さすがに全国から信仰を集める海の守り神様。訪ねるのは2度目でございます。琴平に宿泊したのは2008年。夜に到着して誰もいない石段を上がり始めましたが、すぐに引き返したのでございます。朧な記憶だけが残っております。

この日は暑く、どこまで登れば気が済むのか分かりませんでしたが、友人は古希を過ぎております。有料の杖を借りて有無を言わさず持たせました。この行為が後々まで彼の口から感謝の言葉を聞くことになるのでございます。「あの時のことは死んでも忘れん」。しみじみと語るのでございます。たいしたことはしていないのですが。ともあれ本宮までの785段の石段を上がったのでございます。

本宮を写したのは11:54。約30分でございます。友人を気遣いながらさらに奥宮へと登る決心をいたしました。車の運転では疲れを見せない友人。カッシリとした体格をお持ちだけあってさすがにタフでございます。

ここからの眺めはとても気に入りました。

奥宮まではさらに583段。合わせて1368段の石段を上がった先にございます。疲れて大声で泣き叫ぶ小学生の男の子の姿がありました。「ボク、たくさん歩いた~」。奥宮到着は12:47。本宮からは約1時間を要したことになります。

下りのことはよくは覚えていないのでございます。書院に寄り黙想の後に下山いたしました。奥宮から約1時間が経過しておりました。そして友と二人、アイスクリームにぱくついたのでございます。

14:41 善通寺(ぜんつうじ)駅(土讃本線 香川県)

琴平駅にも寄りたかったのですが、友が立ち寄りましたのは善通寺駅でございました。この駅も懐かしゅうございます。12年前に宿泊した街でもございます。

四国霊場第七十五番札所善通寺にも寄って五重塔を写した夜。まだ三十路だった当時。四国在住の友を得て戻ってくることになるとは。縁をつないできた因果。人生とは面白いものでございます。格調高い駅舎も健在でございました。

16:41 高松港公園

友は恋人を迎えに行かなければならないため、いったん高松に戻ります。お互い離婚経験者で、現在はそれぞれ恋人を持ちます。年齢など関係なく恋愛を語る友を誇りにも思うのでございます。

港で下ろしてもらい、友が戻ってくるのを待ちます。シンボルタワー下のコンビニでビールを購入してベンチに腰掛けて夕暮れ間近の高松を楽しんでおりますと、ご婦人が断りを入れて横に腰を下ろしました。「友を待ちながらビールを飲んでます」と話すと、「あら、それは最高」と答えられて、ご自身がここにいらっしゃる理由を話しだされたのでございます。ご婦人を迎えに来られるのは息子夫婦とお孫さん。「それはお幸せな」。「そうでもないのよ」。やがてお迎えが。爽やかな息子さんが車を降りて「母がお世話になりました」とご丁寧に。車に乗り込むご婦人がこちらに視線を向け、私は笑顔で頷きました。

人それぞれ事情を抱えながら暮らしております。

18:07 八十場(やそば)駅(予讃本線 香川県)

戻ってきた友とともに夕食場所の黒田屋に向かいますが、駅に立ち寄ります。駅舎を持たない駅が夕空に染まりつつありました。

18:13 白峰宮、天皇寺

八十場駅から坂を上がった先に白峰宮と天皇寺が隣接しております。白峰宮は保元の乱に破れてこの地に流された崇徳上皇を祀っており、明治維新までは崇徳天皇社だったが、明治天皇によって上皇の御霊が京都御所に戻されたことにより白峰宮となり、境内にあった寺院が紆余曲折の上に四国霊場第七十九番札所の天皇寺として引き継がれております。崇徳上皇の話は吉川英治さんの「新平家物語」で読んでおります。配所のこの地で苦悶の末に崩御。怨霊となって都に恐怖をもたらした悲劇の上皇。菊花紋章がはめこまれた御料馬の像に友も興奮しておりました。

20:16 磯禅師墓

源義経の愛妾、静御前の母の墓。様々な伝承を持つであろう苦労人の墓が四国に。ここがこの旅での友の最後の導きでございました。名残惜しそうな友。ですが、私は宿でのひとりの時間をそろそろ欲しておりました。友にこれ以上の案内は結構と感謝の気持ちを伝え、この日は分かれたのでございます。

関連記事

「鉄旅日記」2020年弥生 2日目(高山-速星)その3‐岩峅寺、立山、電鉄富山、富山(富山地方鉄道立山線/富山地方鉄道不二越・上滝線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月21日・・・岩峅寺駅、立山駅、電鉄富山駅、富山駅(富山地方鉄道立山線/富山地方

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その6‐博多南、博多、鳥栖、佐賀、肥前鹿島(博多南線/鹿児島本線/長崎本線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月14日・・・博多南駅、博多駅、鳥栖駅、佐賀駅、肥前鹿島駅(博多南線/鹿児島本

記事を読む

「車旅日記」2005年冬 初日(熊本空港-都城)走行距離270㎞-羽田空港、熊本空港、立野駅、高森駅、湯前駅、小林駅、都城グリーンホテル 【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】

車旅日記2005年2月11日・・・羽田空港、熊本空港、立野駅、高森駅、湯前駅、小林駅、都城グリーンホ

記事を読む

「鉄旅日記」2021年夏 最終日(上田-東京)その1 ‐上田、滋野、長野(しなの鉄道/信越本線) 【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】

鉄旅日記2021年7月11日・・・上田駅、滋野駅、長野駅(しなの鉄道/信越本線) 2021・

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月 最終日(新津-東京)その2‐会津若松、郡山富田、喜久田、郡山(磐越西線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記2020年4月5日・・・会津若松駅、郡山富田駅、喜久田駅、郡山駅(磐越西線) 9:07 会

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】初日(東京-三ノ宮)-金町、東京、静岡、浜松、弁天島、大垣、美濃赤坂、石山寺、膳所、尼崎、西宮、芦屋、三ノ宮(東海道本線、美濃赤坂支線、京阪石山坂本線)

鉄旅日記2009年5月1日・・・金町駅、東京駅、静岡駅、浜松駅、弁天島駅、大垣駅、美濃赤坂駅、石山寺

記事を読む

「車旅日記」2004年春 4日目(旭川-稚内)走行距離428㎞その1-藤田観光ワシントンホテル、愛別駅、上川駅、白滝駅、丸瀬布駅、遠軽市太陽の丘公園 瞰望岩、遠軽駅、オホーツク氷紋の駅 【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】

車旅日記2004年5月4日・・・藤田観光ワシントンホテル、愛別駅、上川駅、白滝駅、丸瀬布駅、遠軽市太

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 2日目(高松)その1 ‐瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍航空隊跡、箱浦(浦嶋伝説の地)、父母ヶ浜 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

車旅日記2020年9月20日・・・瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春 2日目(下北-石巻)その1-大湊、野辺地、浅虫温泉、小湊、東青森、上北町、小川原湖、下田、八戸(大湊線、青い森鉄道) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】2日目(下北-石巻)

鉄旅日記2016年3月20日その1・・・大湊駅、野辺地駅、浅虫温泉駅、小湊駅、東青森駅、上北町駅、小

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、北海道途中下車旅】3日目(室蘭-岩見沢)-室蘭、苫小牧、鵡川、静内、様似、追分、夕張、新夕張、清水沢(室蘭支線、室蘭本線、日高本線、石勝線、夕張支線)

鉄旅日記2012年8月13日・・・室蘭駅、苫小牧駅、鵡川駅、静内駅、様似駅、追分駅、夕張駅、新夕張駅

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その3 ‐川部、五所川原、木造(五能線)/神武食堂 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・川部駅、五所川原駅、木造駅(五能線)

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その2 ‐東大館、大館、弘前(花輪線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・東大館駅、大館駅、弘前駅(花輪線/奥

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その1 ‐湯瀬温泉、鹿角花輪、十和田南(花輪線)/和心の宿姫の湯 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・湯瀬温泉駅、鹿角花輪駅、十和田南駅(

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その3 ‐盛岡、渋民、八幡平、湯瀬温泉(IGRいわて銀河鉄道/花輪線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日 盛岡駅、渋民駅、八幡平駅、湯瀬温泉駅(I

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その2 ‐竜田、原ノ町、鹿島、仙台、小牛田、一ノ関(常磐線/東北本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅、仙台駅、小

→もっと見る

    PAGE TOP ↑