*

「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その3‐宮古、蟇目、茂市(山田線)/蛇の目寿司 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/05 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年2月23日・・・宮古駅、蟇目駅、茂市駅(山田線)/蛇の目寿司

13:25 宮古蛇の目寿司
宮古には20分遅れで到着。

去年9月には街を見る時間を持てなかった。
今日は2時間あると思っていたら出鼻をくじかれた。
でもこの店での時間を削るわけにはいかない。

あの夜に出てきた刺身盛りには感動した。
蛇の目寿司でお昼を食べよう。
この旅の大いなる目的のひとつだった。

ほんの少しの街歩きを終えて、そしてここにいる。
客は次々に訪れ、注文の品が運ばれてくる気配もないが構わない。
あたためてもらった酒は先に出てる。

外を強い風が吹いている。
ここでしばらく飲んで、また駅に向かう。

14:29 宮古(みやこ)駅(山田線/三陸鉄道リアス線 岩手県)
宮古にはまた再訪する。
あの蛇の目寿司があり続ける限り、何度でも再訪を計画するだろう。

土方歳三が殴り込みをかけた宮古湾を見たかった。
三陸の景勝、浄土が浜を見たかった。
その希望は散策に代わり、酒屋のご主人との会話になった。




釜石での雪がまるで嘘のように空は晴れ渡り、春の日差しに満ちている。

風は強く、相変わらず列車の運行に支障をきたしているらしい。
無線を通じた怪しげな通話が車内を行き交っている。

14:56 蟇目(ひきめ)駅(山田線 岩手県)
強風の影響により急遽数分の停車。
この先にも影響を及ぼしそうだ。

構わない。
それに計画していなかった駅にこうして降りることができた。

確かに強い風だった。
列車の運行に支障をもたらすほどのものではないと思っていたが、そうでもないらしい。

列車は徐行しながら茂市に近づいている。

車窓から木の葉が舞う光景を見た。

オレがしているのは旅行じゃない。
旅なんだ。

何が起こっても構わない。

15:37 茂市(もいち)駅(山田線 岩手県)
岩泉線が通っていた頃の何もかもが消えた山間のターミナル駅。

岩泉線は2010年7月に起きた土砂崩れにより運休が続いていたところに2011年の東日本大震災などの影響もあり、翌年に復旧を断念。
廃線。

ターミナル駅としての格を奪ったのは、人の営みなのだ。
無理もない。
相当のご苦労があり、断腸の思いがあったのだろう。

あの日、終着駅の岩泉から線路に沿ってここまで車を運転してきた。
かつてを知る者には、ただ寂しい。

悠久の岩泉線の写真が飾られていた駅舎から、そうした写真たちは外され、鉄道員の姿もなく、強風によるダイヤ乱れによるアナウンスもなく、苛立ちを隠せない。


おそらく東北に常より早い春一番が吹いている。
この風が今日一日のすべてを狂わせて、茂市で釘付け。

近くを流れる閉伊川の畔へ。



この風の中、計画通りにいくにはリスクが大きい。
盛岡に出て花巻をたどり、今夜予約している釜石に遅くに着く。
そんなアホらしいとも言える計画でいた。

そんな計画が出来上がったのは山田線の運行本数の少なさによるもの。

宮古に戻るしかない。
まだまだだと、山田線はオレに言いたいらしい。

なるほど。
陸前高田には近々戻る。

その際にまた。

関連記事

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 最終日(紀伊田辺-東京)その3-奈良、加茂、伊賀上野、亀山、静岡、沼津(関西本線/東海道本線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月3日・・・奈良駅、加茂駅、伊賀上野駅、亀山駅、静岡駅、沼津駅(関西本線/東海道

記事を読む

「車旅日記」1996年秋 2日目(新潟‐鳴子温泉) 道の駅豊栄、道の駅朝日、道の駅温海、象潟駅-茶房くにまつ、蚶満寺、九十九島、矢島、鳴子サンハイツ 【夏をあきらめきれず、秋。再び夏のルートへと向かったのでございます。】

車旅日記1996年11月2日 1996・11・2 8:17 7号国道‐豊栄(道の駅) よく眠れたよ

記事を読む

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】初日(東京-大阪茨木 R246→R1→名神高速)その2-掛川、磐田駅、浜松、音羽町、岡崎、知立、名古屋渋滞、佐屋町、弥冨町

車旅日記1996年5月3日 6:25 1号国道‐掛川 あれから1時間か。 始まるよ、これから。

記事を読む

「車旅日記」2003年夏 4日目(帯広-札幌)走行距離374㎞ -帯広東急イン、帯広緑ヶ丘公園、忠類、襟裳岬、様似駅、静内駅、恵庭中島公園、札幌東急イン 【北海道初上陸。2,300㎞を移動した5日間の記録でございます。】

車旅日記2003年8月16日・・・帯広東急イン、帯広緑ヶ丘公園、忠類、襟裳岬、様似駅、静内駅、恵庭中

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋 最終日(和田山-東京)その2-大阪、桜島、西九条、阪神西九条、久宝寺、放出、京橋、京阪京橋、近江舞子、近江今津、近江塩津(大阪環状線/桜島線/関西本線/おおさか東線/学研都市線/湖西線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】

鉄旅日記2009年11月23日・・・大阪駅、桜島駅、西九条駅、阪神西九条駅、久宝寺駅、放出駅、京橋駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 2日目(湯沢-鷹ノ巣)その1‐湯沢、四ツ小屋、秋田、森岳(奥羽本線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

駅旅日記2020年1月12日・・・湯沢駅、四ツ小屋駅、秋田駅、森岳駅(奥羽本線) 2020・1・1

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春 最終日(魚津-東京)その1-魚津、生地、黒部、電鉄黒部、泊、親不知、越中宮崎、糸魚川、能生、梶屋敷、浦本(北陸本線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】

鉄旅日記2014年3月23日その1・・・魚津駅、生地駅、黒部駅、電鉄黒部駅、泊駅、親不知駅、越中宮崎

記事を読む

「鉄旅日記」2005年初冬 その1-松戸、我孫子、成田、銚子(常磐線/成田線/銚子電鉄) 【鉄旅に目覚め、銚子へと向かったのでございます。】

鉄旅日記2005年12月10日・・・松戸駅、我孫子駅、成田駅、銚子駅(常磐線/成田線/銚子電鉄)

記事を読む

「車旅日記」2004年夏 最終日(長崎-福岡空港)走行距離291㎞その1-長崎ニューポート、島原駅、沖田畷古戦場(龍造寺隆信戦死の地)、大村駅、千綿駅、高橋駅 【九州を一周してみよう。そう思いたった、真夏の日々でございます。】

車旅日記2004年8月15日・・・長崎ニューポート、島原駅、沖田畷古戦場(龍造寺隆信戦死の地)、大村

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生-小手指、西所沢、西武遊園地、小川、東村山、西武園、西武遊園地、萩山、小平(池袋線/狭山線/山口線/多摩湖線/国分寺線/拝島線/西武園線/新宿線)【西武線を楽しむ日。いくつかのターミナル駅に降りてみたかったのでございます。】

鉄旅日記2018年3月17日・・・小手指駅、西所沢駅、西武遊園地駅、小川駅、東村山駅、西武園駅、西武

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その3 ‐川部、五所川原、木造(五能線)/神武食堂 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・川部駅、五所川原駅、木造駅(五能線)

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その2 ‐東大館、大館、弘前(花輪線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・東大館駅、大館駅、弘前駅(花輪線/奥

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その1 ‐湯瀬温泉、鹿角花輪、十和田南(花輪線)/和心の宿姫の湯 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・湯瀬温泉駅、鹿角花輪駅、十和田南駅(

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その3 ‐盛岡、渋民、八幡平、湯瀬温泉(IGRいわて銀河鉄道/花輪線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日 盛岡駅、渋民駅、八幡平駅、湯瀬温泉駅(I

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その2 ‐竜田、原ノ町、鹿島、仙台、小牛田、一ノ関(常磐線/東北本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅、仙台駅、小

→もっと見る

    PAGE TOP ↑