*

「鉄旅日記」2019年年始【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】初日(東京-一ノ関)その2-新津、新発田、坂町、小国、今泉、西米沢~上杉家御廟~上杉神社~南米沢(信越本線/羽越本線/米坂線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年1月5日・・・新津駅、新発田駅、坂町駅、小国駅、今泉駅、西米沢駅、南米沢駅(信越本線/羽越本線/米坂線)
12:01 新津(にいつ)駅(信越本線/羽越本線/磐越西線 新潟県)
古津の次が新津。
鉄道好きにしか通じない知識だが覚えておく。

長い跨線橋に人の気配は稀薄で、8年前に購入した「えんがわ押鮨弁当」をアテにしていたが、駅弁売場はなくなっていた。

この大鉄道駅をもってしても抗えない古き良き鉄道文化の劣勢を感じる。
似たように、オレも斜陽な職種に就いて長い。

とてもかわいらしい女性鉄道員を記憶して、ホームの外の椅子に座る。

寒いが、ビールを持ち込んでいる身で、暖かな待合室にいるわけにはいかない。
酒飲みにも矜持はある。

雨は気にならない程度にまで弱まり、駅周辺に雪は見られない。


豪雪地帯の印象が強い新潟だが、国内最強の米のブランドとも言えるコシヒカリを生産する越後平野を知った気になる。

12:55 新発田(しばた)駅(羽越本線/白新線 新潟県)
越後平野を眺めているうちに眠りに落ちて、新発田もまた8年振り。

「忠臣蔵」を大河ドラマにとの文字を見たが、この地で生まれた堀部安兵衛中心の物語を想像しているのか。

ちなみに「忠臣蔵」を題材にした大河ドラマは、過去に今は亡き緒形拳さんと中村勘九郎さんが大石内蔵助を演じた2作を見ている。

歴史の中の新発田は、戊辰戦争時の新発田藩の裏切りから始まった奥羽越列藩同盟軍における北越戦線の綻びを思い出す。
そして新潟港を抑えた新政府軍は北越方面からも会津へと迫った。

新発田駅はお城を模した外観にリニューアルされていた。

ここから坂町までは特急を使用する。

がら空きの指定席車両を通り抜けて後ろ2両の自由席車両に入って驚いた。
ほぼ残席は見られない。
鉄道旅行者にもいろいろある。

13:21 坂町(さかまち)駅(羽越本線/米坂線 新潟県)
ここには雪の跡がある。


営業している駅前食堂を横目に旅館や寿司屋が並ぶ通りをしばらく歩く。

タクシー会社の前を通りかかる際に事務の女性と目が合う。
あの通りで見かけた人は彼女だけだった。

駅へと戻る。

かつては裏日本と呼ばれた寒々しい地域の冬の顔を見た。
グレーの空の下では駅もまた鈍色で、手すりも壁もすべてが冷たく感じた。

陰陽連絡線の米坂線の一両の座席はほぼ塞がり、米沢に向けて動き出している。

不意に大河が現れた。

14:13 小国(おぐに)駅(米坂線 山形県)
列車行き違い3分の停車。

ウイスキーハイボールの微かな酔いがまた眠りを誘い、深く眠り込んで目を覚ませば、あたりは一面の雪景色。

ホームに降り立てば、さらに積雪を増さんばかりにしんしんと降っている。

木々は凍てつき、視界は吹雪いたように白く、米沢に向かう車内は静まり、人々は俯くか茫然と外の降りを眺めている。

15:05 今泉(いまいずみ)駅(米坂線/山形鉄道フラワー長井線 山形県)
7分の停車。

この駅前にいるのは3度目になる。
前回2度はいずれも夜だったため、駅の正確な姿を目にしたのは初めてと言える。

立派な駅前旅館が目を引き、あとは雪を乗せた家並を記憶するのみ。

雪原と化した鉄路は哲学的で、一旦すべてを覆い尽くすことでしか意味は持ち得ないとばかりに、さらに雪の降りは激しくなる。




座席から見える車窓はただ単に白く、またもや眠りに落ちていた。

15:30 西米沢(にしよねざわ)駅(米坂線 山形県)にて~これより徒歩にて南米沢駅へ



15:47 上杉家御廟にて

16:09 米沢城址にて

16:20 上杉神社(米沢城址内)にて

16:47 南米沢(みなみよねざわ)駅(米坂線 山形県)
雪は激しく、積雪量からこの冬に降る何度目かの雪と知る。

行動の自由を失った軽トラックを助け、山形弁の濃厚な礼を受ける。

上杉家御廟はそこからすぐだった。

不識庵上杉謙信公が信奉した「毘沙門天」と「龍」の旗が翻る厳かな場所に、この雪をついて訪れる初老の男性の姿もある。

歴代藩主に頭を下げて離れた。
おそらくその知名度から参る者が多いのであろう景勝公、鷹山公への道は、雪も掃き清められ接近が許されていた。

米沢行がもうじきやってくる。
ここから米沢駅まで歩くのは断念した。
この降りはなかなか並みではない。
それに夜がやってきた。

16:54南米沢発米沢行。

薄暮の中で黒い鳥の群れが、まるで雑巾が風に吹き散らばるように無造作に旋回していて、その光景は恐怖映画の予告編を連想させた。

関連記事

「鉄旅日記」2013年如月【休日おでかけパスで、上総下総途中下車旅&習志野シンフォニックブラス(NSB)演奏会】その1-我孫子、東我孫子、新木、湖北、布佐、小林、木下、安食、下総松崎、成田空港、酒々井、物井、東千葉、本千葉、西千葉、新検見川、幕張、東船橋、津田沼(成田線、総武本線)

鉄旅日記2013年2月17日その1・・・我孫子駅、東我孫子駅、新木駅、湖北駅、布佐駅、小林駅、木下駅

記事を読む

「車旅日記」1998年春【下北半島を目指した春。男の旅は北を目指すものと思っていた20代後半。高倉健さんの影響でございましょうか。】2日目(岩手山SA-大間崎-青森駅)-岩手山SA、折爪PA、三沢市ドライブイン三陸、東通村レストラン潮騒、田名部駅、大間崎公営パーキング、大湊駅、陸奥横浜駅、青森駅

車旅日記1998年5月2日 1998・5・2 7:43 東北自動車道-岩手山SA 昨夜の強風が続

記事を読む

「鉄旅日記」2018年春【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】最終日(飯田-安曇野-木曽-東京)その1-飯田、伊那大島、伊那松島、辰野、松本、柏矢町、豊科(飯田線/中央本線辰野支線/篠ノ井線/大糸線)

鉄旅日記2018年4月8日・・・飯田駅、伊那大島駅、伊那松島駅、辰野駅、松本駅、柏矢町駅、豊科駅(飯

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】最終日(酒田-東京)その2‐小波渡、五十川、府屋、あつみ温泉(羽越本線)

鉄旅日記2019年12月8日・・・小波渡駅、五十川駅、府屋駅、あつみ温泉駅(羽越本線) 8:59 小

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】初日(東京-香住)その4‐太秦、撮影所前、帷子ノ辻、保津峡、千代川(山陰本線)

鉄旅日記2020年7月23日・・・太秦駅、撮影所前駅、帷子ノ辻駅、保津峡駅、千代川駅(山陰本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】初日(東京-酒田)その1‐金町、北千住、上野、高崎(常磐線/高崎線)

鉄旅日記2019年12月7日・・・金町駅、北千住駅、上野駅、高崎駅(常磐線/高崎線) 2019・12

記事を読む

「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】初日(東京-岳南江尾-豊橋-三河田原-岡崎-尾張瀬戸-勝川-枇杷島-桑名)その4-新瀬戸、瀬戸市、高蔵寺、新守山、勝川、枇杷島、蟹江、桑名(愛知環状鉄道/中央本線/東海交通事業常北線/東海道本線/関西本線)

鉄旅日記2018年9月15日・・・新瀬戸駅、瀬戸市駅、高蔵寺駅、新守山駅、勝川駅、枇杷島駅、蟹江駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】2日目(香住-東萩)その5‐都野津、江津、西浜田、東萩(山陰本線)

鉄旅日記2020年7月24日・・・都野津駅、江津駅、西浜田駅、東萩駅(山陰本線) 18:27

記事を読む

「車旅日記」2005年初夏【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】初日(長岡-会津-福島-山形)走行距離388㎞ その1-長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅

車旅日記2005年7月16日・・・長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】3日目(姫路-十三)その1-山陽姫路、山陽網干、飾磨、大塩、高砂、山陽垂水、垂水、滝の茶屋、山陽塩屋、塩屋、山陽須磨(山陽電車本線/山陽電車網干線)

鉄旅日記2017年8月13日・・・山陽姫路駅、山陽網干駅、飾磨駅、大塩駅、高砂駅、山陽垂水駅、垂水駅

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】3日目(高松)その1 ‐片原町駅、瓦町駅、高松築港駅、玉藻公園(高松城跡)、一宮寺、滝宮天満宮、滝宮駅、満濃池

車旅日記2020年9月21日・・・片原町駅、瓦町駅、高松築港駅、玉藻

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】2日目(高松)その2 ‐祖谷口駅、小歩危駅、大歩危駅、剣山リフト乗場、恋人峠、穴吹駅、黒田屋高松西インター店

車旅日記2020年9月20日・・・祖谷口駅、小歩危駅、大歩危駅、剣山

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】2日目(高松)その1 ‐瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍航空隊跡、箱浦(浦嶋伝説の地)、父母ヶ浜

車旅日記2020年9月20日・・・瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】初日(東京-高松)その5 ‐岡山、児島、高松(本四備讃線/予讃本線)/児島の民話

鉄旅日記2020年9月19日・・・岡山駅、児島駅、高松駅(本四備讃線

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】初日(東京-高松)その4 ‐姫路、相生、有年、三石(山陽本線)

鉄旅日記2020年9月19日・・・姫路駅、相生駅、有年駅、三石駅(山

→もっと見る

    PAGE TOP ↑