「鉄旅日記」2019年年始 初日(東京-一ノ関)その1-金町、上野、高崎、六日町、長岡、見附(常磐線/高崎線/上越線/信越本線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】
鉄旅日記2019年1月5日・・・金町駅、上野駅、高崎駅、六日町駅、長岡駅、見附駅(常磐線/高崎線/上越線/信越本線)
2019・1・5 4:27 金町(かなまち)駅(常磐線 東京都)
星が見えた始発頃。
わが身に既に正月気分はなく、旅の空に向かうべく駅のホームで北千住行を待っている。

年賀状や新年を祝い合うSNSのやりとりに気分の高まりはあれど、最も大切に想う人が大晦日を前に静かに去り、その穴を埋められずにいる。
埋まるはずがない。
彼女と知り合ってから約500日。
恋は愛となり、二人は互いにだけ通じる秘密を共有した。
対面したことはない。
それでも彼女がいてくれたからこそ、世界一愛しいものとの別れをどうにか持ちこたえることができた。
彼女はいつ頃帰ってくるのだろう。
悲壮感はない。
必ず帰ってくる。
心身を鍛え、仕事に精進して、その日を待つ。
きっと五十路を迎える頃には音沙汰があるだろう。
馴染みの鑑定師たちから伝わる今年のオレへの評価は変わらず高く、叶える年だと一様に告げる。
その一年へと向かう端緒にいる。
北千住での乗り継ぎを終えて、列車は日暮里に到着している。
5:10 上野(うえの)駅(東北・北海道新幹線/秋田新幹線/山形新幹線/上越新幹線/北陸新幹線/東北本線/常磐線/高崎線/山手線/京浜東北線/東京メトロ銀座線/東京メトロ日比谷線 東京都)
中央改札を抜けて一時外に出る。


アメ横へとつながる道の明かりを眺め、やがて駅を振り返る。
レトロな駅舎が、その姿に身合うレトロな灯をまとっていた。

高崎行は5:13発。
ボックス席がある10両編成が入線してきてとっさに酒へと思いがいくが、今朝はやめておく。
昨夜の新年会では、今日を思い控え目な酒にしたが、昼も含めて食べ過ぎた。
新潟は一週間雪の予報が続いていた。
どのあたりから雪を目にするだろうか。
しばらく眠る。
7:05 高崎(たかさき)駅(上越新幹線/北陸新幹線/信越本線/高崎線/上越線/両毛線/吾妻線/上信電鉄 群馬県)
赤羽を過ぎると荒川を渡る。
鉄橋を往く上越線の揺れを感じながら目を瞑る。
心地のいい眠りが神保原まで断続的に続き、北藤岡駅の登場とともに現れる八高線との合流を目撃した後、さらにまた目を閉じる。
6:55高崎着。
だるまの街は気温0度の朝を迎えていた。

よそからやってきた人々の足音で構内は慌ただしさを感じるが、駅舎を出ると道行く人を見かけることはない。


おそらく開業当時の駅舎を描いたものであろう壁画。

正月飾りはすでに消えて、北へ向かう列車は重装備の雪山客を多く乗せている。
7:12発水上行。
9:24 六日町(むいかまち)駅(上越線/北越急行ほくほく線 新潟県)
5分の停車。
列車旅に退屈した家族がホームに出て雪景色を前にはしゃいでいる。

沼田あたりから現れた雪は、水上では一面に降り積もっていた。
8:17水上着。
凍てついたホームを人々の列は跨線橋へと続き、8:24発長岡行へ。
座席はどうにか確保した。
清水トンネルを越すと積雪量は増し、車内からため息が漏れる。
オレは大半の時間を睡眠に費やしていた。
スキー場に着く度に乗客は減り、鉄道愛好家と思わしき人々はなお残り、一面の雪原の中をさらに北へ向かっている。
10:28 長岡(ながおか)駅(上越新幹線/信越本線/上越線 新潟県)
天気予報では雪が続いていた新潟。
長岡には冷たい雨が降っている。

何度も乗り降りをしてきた長岡で、駅がかつての長岡城があった場所との知識は持っていたが、駅前に本丸跡を標す石碑があることに今日初めて気づいた。
当時城の一方は湿地帯で、新政府軍に奪われた城を長岡藩が奪還した際の攻め口になったが、今じゃ街の中にその痕跡を残す区画は存在しないだろう。
その後、空襲に焼かれてもいる。
駅前にはもうひとつ。
放浪画家の山下清が描いた長岡の花火を象徴する花火玉が置かれている。
10:46 見附(みつけ)駅(信越本線 新潟県)
長岡発10:29快速新潟行は昔懐かしい緑とオレンジの客車。
座席はすべて埋まり、乗ってひと駅。
旅程に照らしてこの駅でわずかな時間を過ごす。
鉄道員が詰めている駅の待合室には待ち人が見られ、駅前には2軒の旅館が構えている。


些細な音すら記憶に残らず、静かな雨が降る駅前を写して、暖かな待合室でここに着いてから13分後にやってくる鈍行の新潟行を待つ。
雨はいくぶん冷たさを和らげていた。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2009年晩秋 初日(東京-倉敷)その2-北条町、姫路、播州赤穂、日生、備前片上、西片上、倉敷(北条鉄道/加古川線/山陽本線/赤穂線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】
鉄旅日記2009年11月21日・・・北条町駅、姫路駅、播州赤穂駅、日生駅、備前片上駅、西片上駅、倉敷
-
-
「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その4 ‐山寺(仙山線)/立石寺山門売店/高砂屋本舗 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】
鉄旅日記2021年10月10日・・・山寺駅(仙山線)/立石寺山門売店/高砂屋本舗 12:10
-
-
「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。初日(東京-下部温泉) ‐市川大門、下部温泉(身延線)【Facbookへの投稿より振り返ります。】
鉄旅日記2022年5月28日・・・市川大門駅、下部温泉駅(身延線) 【武田信玄公隠し湯にて】
-
-
「鉄旅日記」2020年初秋 初日(東京-高松)その3 ‐坂本比叡山口、びわ湖浜大津、大津(京阪石山坂本線/東海道本線)/大津港 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年9月19日・・・坂本比叡山口駅、びわ湖浜大津駅、大津駅(京阪石山坂本線/東海道本
-
-
「鉄旅日記」2020年晩秋 2日目(砺波-武生)その1 ‐砺波、戸出、新高岡、金沢(城端線/北陸新幹線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月22日・・・砺波駅、戸出駅、新高岡駅、金沢駅(城端線/北陸新幹線)
-
-
「鉄旅日記」2019年師走 初日(東京-酒田)その3‐新潟、村上、羽後本荘(信越本線/白新線/羽越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】
鉄旅日記2019年12月7日・・・新潟駅、村上駅、羽後本荘駅(信越本線/白新線/羽越本線) 11:
-
-
「空旅日記」1997年弥生【若き日に高知に出張に行った記録が残っておりました。】-羽田空港内カフェテリア、市電グランド通り駅前オリエントホテル
空旅日記1997年3月11日 1997・3・11 羽田空港内カフェテリア 17:00を待っている。
-
-
「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、関東途中下車旅】その1-赤羽、岡本、烏山、大金、宝積寺、氏家、石橋、自治医大、小金井、小山(東北本線、烏山線)
鉄旅日記2013年3月31日その1・・・赤羽駅、岡本駅、烏山駅、大金駅、宝積寺駅、氏家駅、石橋駅、自
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その3‐阿川、小串、下関、小倉(山陰本線/鹿児島本線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月14日・・・阿川駅、小串駅、下関駅、小倉駅(山陰本線/鹿児島本線) 1
-
-
「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】初日 (東京‐三国峠‐新潟)- 成瀬センター前、東福生駅、籠原駅、北橘村、渋川、ドライブイン利根川、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、道の駅ゆのたに、堀之内パーキング
車旅日記1996年8月13日 1996・8・13 10:45 東京 ルートは決まった。 今までの旅
