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「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その1 ‐常陸大子、磐城棚倉、東館(水郡線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

公開日: : 旅話, 旅話 2022年

鉄旅日記2022年2月6日・・・常陸大子駅、磐城棚倉駅、東館駅(水郡線)

2022・2・6  9:04  常陸大子(ひたちだいご)駅(水郡線 茨城県)

昨夜は星がよく見えた。

奥久慈にいい湯加減の温泉がある。NHKが流れるホテルロビー。カラオケ、卓球、ゲームコーナー。古き懐かしき愛すべき温泉宿。ホテル奥久慈館の湯を愛してる。

久慈川に沿う国道はかつて車を走らせた道。晴れ渡る空の下で気分は清々しく、不意のことだが生きている喜びが満ちた。

戦国期には金山開発が盛んだったという土地柄で、江戸期には久慈川の水運で栄え、幕末には那珂湊で利を得なかった水戸天狗党がこの地で再集結して京都へ向かうべく流亡の道に入った。

池田橋で久慈川を渡ると大子の町中に入る。芭蕉の句が刻まれた石碑の奥には古びたお堂。旧外池家呉服店、旧大子銀行。

歴史のある家並は通りを2本伝って駅まで続く。

駅横にはSLが保存され、駅舎を出ると「駅そば」が湯気を上げている。文化遺産とも言える鉄道風景。

叶うのなら、永遠であれ。

10:28  磐城棚倉(いわきたなくら)駅(水郡線 福島県)

川の淀みは凍り、猫は哲学的に列車を見つめる。整然とした川辺の風景の先には小さな町があった。

磐城棚倉着9:46。多くが出ていってしまったようなガランとした駅前。かつて社員旅行でこの町のリゾート施設に来たこともあり、沿線の中核都市でもあることから下りてみたかった。

水郡線の起こりは水戸~常陸太田に敷かれた太田鉄道で、常陸大宮~郡山を意味する大郡線を経て水郡線となり、水戸~常陸大子開業後に残された常陸大子~安積永盛は水郡北線、水郡南線に分かれて福島側、茨城側からそれぞれ延伸して、1934年にここ磐城棚倉~川東が開通して全通を果たし、それより以前に上菅谷~常陸太田は支線となっている。

城跡公園に向かう。棚倉藩初代はなんと「西国無双」立花宗茂。豊臣秀吉による2度にわたる朝鮮出兵で英名を馳せたが、関ヶ原で西軍に加担したため改易となってから6年後のことだった。丹羽氏、内藤氏、松平氏などを経て幕末は阿部氏。

戊辰戦争で棚倉藩は善戦したようだ。藩士は各地を転戦。中には細谷十太夫率いる仙台藩鴉組とともに新政府軍から恐れられた小隊があったとのこと。阿部内膳が率いた「十六ささげ隊」。白河口の戦闘で全滅している。

守りが手薄な城に迫ったのは大砲6門を引いた板垣退助。一日で落城焼失。

そうした藩士がいたからだろう。棚倉藩の武勇は水戸天狗党で暴虐を極めた田中愿蔵(げんぞう)一派との戦いにも発揮され、駅前地図には天狗党の墓が載っている。そこに葬られている者の多くは10代の若者。

この町が戦場だったことをうまくイメージできない。秋葉神社に詣で、「時の鐘」の先には町が見えた。

棚倉も小京都に数えられ、そうした町々が集まる京都サミットが存在することを駅に貼られたポスターで知った。

酒屋のおかみさんは上品な方だった。棚倉は桜の町。春にまたどうぞ。恋人と飲む酒とウイスキーハイボールを購入。

町に残っていた雪は昨日の朝のもの。吹く風は今日も冷たく、容赦なく手を割く。1月のみちのくよりも尚寒く感じる。

次に来る上り列車は約4時間後の到着になる。

11:00  東館(ひがしだて)駅(水郡線 福島県)

行き違い4分の停車。

駅と国道をつなぐ小さな商店街。居酒屋とスナックの看板が見える。

そんな町を見守るように古い駅が品格を示すように中心にある。

矢祭はこんにゃくの町。そういえば昨日のバイキングの品数にも含まれていた。

棚倉で曇った空は快晴に戻り、恋人は白馬から長野に向かった。

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