*

「鉄旅日記」2017年冬 最終日(喜多方-東京)その3-鬼怒川温泉、東武ワールドスクウェア、上今市、今市、下今市、南栗橋(野岩鉄道/東武鬼怒川線/東武日光線 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/14 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年12月3日・・・鬼怒川温泉駅、東武ワールドスクウェア駅、上今市駅、今市駅、下今市駅、南栗橋駅(野岩鉄道/東武鬼怒川線/東武日光線)

15:13 鬼怒川温泉(きぬがわおんせん)駅(東武鬼怒川線 栃木県)
野岩国境の車窓風景に惹かれている。

鬼怒川温泉駅に降り立つ。
かつての夢の跡。
ホテル廃墟。

そうしたものに目がいく。

でもわずかなものだ。
目をつぶればいい。

そうしたら駅前風景は華やいで見える。
人々の表情は柔らかく、外国人観光客の姿もある。

草野球の忘年会をここの温泉場でやったのが3年前。
以来、忘年会すら行わなくなってしまった。

世は無常。
しかし、これでいい。

野球は続いている。
今年最後のゲームは台東区3部リーグ決勝戦。

5回終了時に0×0で、1アウト満塁からのタイブレーク制延長戦に突入。
惜しくも破れた。

15:41 東武ワールドスクウェア(とうぶわーるどすくえぇあ)駅(東武鬼怒川線 栃木県)
今年この施設前に新駅が誕生したことを知った。

降りてみよう。
次のが来るまで40分。
ビールでも買って、買い置きのパンを食べようかと思っていた。

降りたら、コンビニなどない。
コンビニが撤退した後、建物をそのままに陶芸教室として流用したものならあった。

遊園地前の立地でその様じゃ普段の客入りが知れる。

ここには、社員旅行で湯西川温泉に泊まった帰りに寄った。
世界の有名建造物のミニチュアが見られるテーマパーク。

感嘆はするが、個人的には1時間もいれば十分だった。
案の定、広場は閑散としている。

でもオレには都合がよかった。
ホットココアを買ってベンチに陣どる。

まるで春の陽気。
少しも寒くない。

今朝の会津が数日前のことのように思える。
ただでさえ、一日の内にいくつもの町を後にしていくことは、数日を生きるのに等しく思える。

寒い鬼怒川とはいえ、もう関東に帰ってきたんだな。

ゆっくりとパンをかじる。
家族連れや恋人同士が楽しそうにしている中、そんなふうにひとりでいる中年男など他にいない。

我ながら笑える。
さすがにオレとて、ひとり身のままだったらこんなところに入り込んだりしない。

16:27 上今市(かみいまいち)駅(東武日光線 栃木県)
この旅の最後は今市で。

水車が置かれた駅前。
日光の山々に雪は確認できない。

脇の杉並木公園は、江戸時代に日光東照宮に立ち寄った朝鮮通信使をもてなした客館の跡だという。

日光には様々な歴史がある。
そして手前の今市にも風情が生きている。

街中へ歩いていく。

16:51 今市(いまいち)駅(日光線 栃木県)
日光への最後の宿場町今市。

通ってきた道筋には由緒を持つ旅館などがあり、どことなく気品に満ちた静けさをまとっている。

今市のような地方都市で、元気な若者の姿を見るのが好きだ。
きっと彼等がこれからうまいことやっていくだろう。

今夜こそ満月か。
下今市上空に大きな姿を見せていた。

日光の山々はじきに夜に溶ける。

17:27 下今市(しもいまいち)駅(東武日光線/東武鬼怒川線 栃木県)
SLが到着した1時間前。
ターミナル駅としての雰囲気を濃厚に持つ。

昨日は駅弁売りのオジサンに気づかなかったけど、ご健在だろうか。

これから4番線に会津田島行が入る。
もう一度乗って会津に戻りたいよ。

夕暮れから夜へと変わった今市。
暖かかった一日の余韻も消え、冷気が下りてきて、入線を待つ人々が体を震わせている。

たいていが東京に向かうのだろう。
浅草行き特急の指定席は売り切れている。

それぞれの旅の終わり。

会津も日光も天気もよく、素晴らしい週末だった。

19:04 南栗橋(みなみくりはし)駅(東武日光線 埼玉県)
下今市を出ると夜の世界。
目を向けたくなるような外からの明かりはない。

行きに旅情を愛でた新鹿沼を見たかったけど、夜の姿は確認できなかった。

栃木には明かりがある。
一度徒歩で訪ねた新大平下には、規模の大きなクリスマス・イルミネーションが光っていた。

板倉東洋大前は群馬県になる。
この路線中に群馬県が存在することは驚きだった。

栗橋の手前で大河利根川を渡る。
スピードを落として大きく迂回するように堤を上がる風景には、行きに圧倒された。
また来たいと思った。

利根川の橋上、闇から近づいてくる反対列車はまさしく銀河鉄道のようだった。

かつて金町に暮らし、夜にジョギングに出かけて、江戸川堤に向けて走る常磐線も闇に浮かんでいるように見えたものだ。
常磐線は10両とか15両編成で、くねるような様は巨大な竜のようにも見えた。

とりわけオレがロマンチックなわけじゃない。

みんな行きの話になるが、南栗橋には広大な車両基地がある。
日光方面に向かう列車に乗ると、たいていここで乗り換えを強いられる。

ホームから眺めた駅前は、一軒の飲み屋を除いて何もなかった。

関連記事

「車旅日記」2003年晩秋 初日(奈良-高野山-南紀白浜)走行距離204㎞ -橿原かっぱ寿司、橋本駅、九度山駅、高野山大伽藍、高野山金剛峰寺、龍神、南紀白浜 【紀伊半島に焦がれる日々。南海道を往くのは2度目でございます。】

車旅日記2003年11月22日・・・橿原かっぱ寿司、橋本駅、九度山駅、高野山大伽藍、高野山金剛峰寺、

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、富山・岐阜途中下車旅】最終日(富山-東京)その2-美濃太田、可児、姫、下切、南木曽、田立、勝沼ぶどう郷(太多線、中央本線)

鉄旅日記2012年8月26日その2・・・美濃太田駅、可児駅、姫駅、下切駅、南木曽駅、田立駅、勝沼ぶど

記事を読む

2018年初秋 初日(東京-桑名)その4-新瀬戸、瀬戸市、高蔵寺、新守山、勝川、枇杷島、蟹江、桑名(愛知環状鉄道/中央本線/東海交通事業常北線/東海道本線/関西本線) 【JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】

鉄旅日記2018年9月15日・・・新瀬戸駅、瀬戸市駅、高蔵寺駅、新守山駅、勝川駅、枇杷島駅、蟹江駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏 3日目(南宮崎-隼人)その2-宮崎、清武、田野、山之口、西都城、餅原、都城、京町温泉、えびの、吉松(日豊本線、吉都線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

鉄旅日記2013年8月12日その2・・・宮崎駅、清武駅、田野駅、山之口駅、西都城駅、餅原駅、都城駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春-館林、佐野、葛生、西小泉、赤城、太田、伊勢崎、新伊勢崎、足利、足利市(東武佐野線/東武小泉線/東武桐生線/東武伊勢崎線)【ふらっと両毛 東武フリーパスで、両毛ローカル旅】

鉄旅日記2014年4月6日・・・館林駅、佐野駅、葛生駅、西小泉駅、赤城駅、太田駅、伊勢崎駅、新伊勢崎

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その4‐宮古、陸中山田、釜石(三陸鉄道リアス線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月23日・・・宮古駅、陸中山田駅、釜石駅(三陸鉄道リアス線) 16:22 宮古

記事を読む

「車旅日記」1996年1月【旅を友として生きていくと決めた27歳。年頭の誓いでございます。】-町田、伊勢原駅、山北駅、沼津駅、富士駅、道の駅富士川、吉原駅、田子の浦

車旅日記1996年1月1日 1996・1・1 20:43 東京町田 始動だ。 久し振りに動かした筋

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その3 ‐新金谷、千頭、アプトいちしろ、長島ダム(大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・新金谷駅、千頭駅、アプトいちしろ駅、長島ダム駅(大井川鐡道本線/

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その2 ‐奥大井湖上、接岨峡温泉(大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・奥大井湖上駅、接岨峡温泉駅(大井川鐡道井川線) 13:18 奥大

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初夏 2日目(和歌山-松阪)その2-串本、新宮、尾鷲、紀伊長島、三瀬谷、多気、松阪(紀勢本線)【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】

鉄旅日記2008年7月20日・・・串本駅、新宮駅、尾鷲駅、紀伊長島駅、三瀬谷駅、多気駅、松阪駅(紀勢

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その1 ‐新静岡、静岡、由比、富士、芝川(東海道本線/身延線)/駿府城址 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・新静岡駅、静岡駅、由比駅、富士駅、

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その3 ‐尾盛、千頭、金谷、静岡(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/くれたけインプレミアム静岡駅前 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・尾盛駅、千頭駅、金谷駅、静岡駅(大井川鐡道

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その2 ‐奥大井湖上、接岨峡温泉(大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・奥大井湖上駅、接岨峡温泉駅(大井川鐡道井川

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その1 ‐焼津、金谷、千頭、井川(東海道本線/大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月20日・・・焼津駅、金谷駅、千頭駅、井川駅(東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その4 ‐アプトいちしろ、川根小山、千頭、金谷、焼津(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・アプトいちしろ駅、川根小山駅、千頭

→もっと見る

    PAGE TOP ↑