*

「鉄旅日記」2008年初秋 2日目(羽咋-福井)その2-松任、小松、あわら湯のまち、三国港、福大前西福井、田原町、福井(北陸本線/えちぜん鉄道三国芦原線/福井鉄道福武線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/19 旅話, 旅話 2008年

鉄旅日記2008年9月14日・・・松任駅、小松駅、あわら湯のまち駅、三国港駅、福大前西福井駅、田原町駅、福井駅(北陸本線/えちぜん鉄道三国芦原線/福井鉄道福武線)

13:03 松任(まっとう)駅(北陸本線 石川県)
金沢から3駅。

駅前に食堂はない。
同じ北陸の中では例えば黒部のように、繁華街は別な場所にあるようだ。

戦国時代までここには城があり、上杉軍、織田軍のはざまで、両軍からの攻撃にさらされたという。

千代さんという偉い尼さんがいたらしい。
街は今も彼女を大切にしている。

14:22 小松(こまつ)駅(北陸本線 石川県)
勧進帳の名場面、「安宅関」は小松市らしい。
他にも名乗り出ている町があるだろう。
北陸は義経伝説に満ちている。

市内地図に小松空港は見えない。

石川県では金沢に次ぐ街だろうが、その差は大きい。
古いアーケード街が駅前をかこっているが、人通りはなく、車通りも少ない。
夜にイベントがあるのか少し騒がしい。

繁華街の反対側には小松製作所の立派な小松工場がある。

昼食はここで。

高架駅のホームからはお寺の屋根が覗く。
なぜかその姿が印象的で、やってきた特急雷鳥はがら空きだった。

16:38 あわら湯のまち(あわらゆのまち)駅(えちぜん鉄道三国芦原線 福井県)
福井駅で降りて、えちぜん鉄道へ。
三国へ向かう列車に乗った。

観光案内所では繰り返し「あわら音頭」を流している。

かつて友人の運転する車で着いて、この温泉街に泊まったことがある。
ここではその思い出に尽きる。
たいして古いものじゃない。
あの当時、えちぜん鉄道の前身京福電鉄は営業をしておらず、駅は閉鎖されていた。

温泉街は閑散としている。
それは当時も変わらない。

17:25 三国港(みくにみなと)駅(えちぜん鉄道三国芦原線 福井県)
駅舎は当時のままだ。
駅員の姿はない。

海水浴の季節は終わったが、サンセットビーチには人が出ている。
九頭竜川が日本海に流れ込む場所で糸を垂れている釣り師は、ラジオで相撲中継を流している。

あの日、久しぶりに会ったオレたちは、あの海辺で何を語り合ったのか。
まるで覚えていない。

病気がちの彼は酒も煙草も寄せつけなくなっていた。
元気でいるだろうか。
今日はこんなに近くまで来たけれど、まだ大野にいるのだろうか。

出会った頃に二人で飲みに行って、ただの一言も交わさずに1時間以上を過ごしたことがある。
そんな過去も20年近く前のものになった。

今日はひとりで歩いた海辺。
そこではそんなことは考えず、ただただ素晴らしい景色を堪能していた。



父親に連れられた幼い女の子と手を振り合って別れ、福井に戻る列車がやってきた。

福大前西福井(ふくだいまえにしふくい)駅(えちぜん鉄道三国芦原線 福井県)にて

18:36 田原町(たわらまち)駅(えちぜん鉄道三国芦原線/福井鉄道福武線 福井県)
三国神社では北陸高生が乗り込んできた。
微笑ましい存在じゃなかったが、運動している若者たちだ。
力が有り余っている。
オレも、サッカーで福井県選抜に選ばれた友人も、あの頃はあんなものだ。

降りる駅をひと駅間違えて、福大前西福井から昭和の匂いが濃厚な福井鉄道終着駅までを歩く。
このあたりが福井の西のはずれになる。

えちぜん鉄道でもう一方の終着駅、勝山まで行くつもりでいたが、もう暗い。
ここから発車する路面電車で福井に戻る。
えちぜん鉄道も福井鉄道も奮闘している。
一日フリー切符はお得だった。

最近知り合った女性からのメールに、今日は中秋の名月と知らされて、見上げれば見事な月。
今夜はずっと一緒だ。

22:07 東横イン福井駅前905号
裁判所前、市役所前、そして福井駅前。
路面電車から眺める街は素敵だった。

柴田勝家とお市の方の夢の跡、福井。
彼等によって事実上、この街は始まったという。

秀吉軍が包囲する中、爆薬を炸裂させて滅んだ北の庄と、越前松平家が幕末まで守った福井城は別な場所にあり、後者には県庁をはじめ諸官庁が置かれ、初代結城秀康の銅像が立っていた。

大坂夏の陣で真田幸村を討ち取った越前兵は勇猛だった。
どの時代の戦場でもそうなのだろう。
二代目松平忠直はほとんど狂人に近く、妻の密告によって破滅を迎えるまで、そんな男に対しても越前兵は忠実だった。

福井駅は工事中で、JRは仕上がり、えちぜん鉄道はまだ完成を見ていない。
再開発用地は柵に囲まれ、未来の設計図を示すには至っていない。
繁華街の人通りはまばらで、特に若い世代を見ない。

たまたま入った店は繁盛店だったらしい。
美味い酒と肴を出してくれる店で、主人からすれば対応に窮するほどの入りだったようだ。

福井県は幸せ基準じゃ最高ランクにあるという統計が出ている。
数年前の台風で寸断された越美北線もどうやら全通したようだ。

中秋の名月を福井で見た。
その記憶が残るといい。

残っていたら、来年の今頃はひとりじゃないかもしれない。
去年から、旅先ではそんな思いにふけるようになった。

このままでいるはずがない。

関連記事

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その1 ‐常陸大子、磐城棚倉、東館(水郡線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・常陸大子駅、磐城棚倉駅、東館駅(水郡線) 2022・2・6&

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 初日(東京-盛岡)その1-金町、水戸、上菅谷、常陸大子(常磐線/水郡線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月21日・・・金町駅、水戸駅、上菅谷駅、常陸大子駅(常磐線/水郡線) 2019

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その1 ‐松戸、神立、友部、水戸、いわき(常磐線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・松戸駅、神立駅、友部駅、水戸駅、いわき駅(常磐線) 2022

記事を読む

「鉄旅日記」2018年神無月 最終日(松本-辰野-天竜峡-岡谷-東京)その3-勝沼ぶどう郷、大月(中央本線) 【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】

鉄旅日記2018年10月8日・・・勝沼ぶどう郷駅、大月駅(中央本線) 17:25 勝沼ぶどう郷(か

記事を読む

「車旅日記」2004年夏 2日目(別府-宮崎)走行距離337㎞その2-高森駅、高千穂駅、延岡駅、日向市駅、佐土原駅、アーバンキット宮崎 【九州を一周してみよう。そう思いたった、真夏の日々でございます。】

車旅日記2004年8月12日・・・高森駅、高千穂駅、延岡駅、日向市駅、佐土原駅、アーバンキット宮崎

記事を読む

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その2 ‐文挟、鹿沼、鶴田、宇都宮(日光線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・文挟駅、鹿沼駅、鶴田駅、宇都宮駅(日光線) 7:32&nbs

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.2 その1-天王台、植田、泉、いわき、富岡(常磐線) 【青春18きっぷ常磐旅。この当時、常磐線は富岡止まりでございます。そしてこの季節、臨時駅の偕楽園駅に列車が止まります。】

鉄旅日記2019年3月10日・・・天王台駅、植田駅、泉駅、いわき駅、富岡駅(常磐線) 2019・3

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春 その1-扇町、浅野、海芝浦、国道、大川、保土ヶ谷、東戸塚、網代、伊豆多賀、宇佐美、熱海(鶴見線、海芝浦支線、大川支線、東海道本線、伊東線) 【青春18きっぷで、鶴見線・伊豆・駿河途中下車旅】

鉄旅日記2012年4月8日その1・・・扇町駅、浅野駅、海芝浦駅、国道駅、大川駅、保土ヶ谷駅、東戸塚駅

記事を読む

「車旅日記」2001年黄金週間 初日その3(東京-京都)-桂川PAから四条烏丸へ。恋焦がれた女性に会いにいく男の話でございます。【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

車旅日記2001年5月3日・・・桂川PA 24:58 名神自動車-桂川PA 546㎞

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 2日目(高松)その1 ‐瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍航空隊跡、箱浦(浦嶋伝説の地)、父母ヶ浜 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

車旅日記2020年9月20日・・・瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2023年新春 2日目(泉佐野-彦根)その1 ‐泉佐野、貝塚、水間観音(南海本線/水間鉄道)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月8日・・・泉佐野駅、貝塚駅、水間観音駅(南海本

「鉄旅日記」2023年新春 初日(東京-泉佐野)その4 ‐加太、和歌山市、泉佐野(南海加太線/南海本線)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月7日・・・加太駅、和歌山市駅、泉佐野駅(南海加

「鉄旅日記」2023年新春 初日(東京-泉佐野)その3 ‐みさき公園、多奈川、紀ノ川(南海本線/南海多奈川線)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月7日・・・みさき公園駅、多奈川駅、紀ノ川駅(南

「鉄旅日記」2023年新春 初日(東京-泉佐野)その2 ‐豊橋、大垣、大阪、新今宮(東海道本線/大阪環状線)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月7日・・・豊橋駅、大垣駅、大阪駅、新今宮駅(東

「鉄旅日記」2023年新春 初日(東京-泉佐野)その1 ‐金町、東京、三島、沼津(常磐線/東海道本線)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月7日・・・金町駅、東京駅、三島駅、沼津駅(常磐

→もっと見る

    PAGE TOP ↑