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「車旅日記」2001年黄金週間 最終日その1(京都-東京)-八坂神社石段下、志賀、道の駅河野、福岡の湯、道の駅ウェーブパークなめりかわ【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

公開日: : 旅話, 旅話 2001年

車旅日記2001年5月5日・・・八坂神社石段下、志賀、道の駅河野、福岡の湯、道の駅ウェーブパークなめりかわ

八坂神社のクロスロードで信号待ちをしていると、後ろからミホさんが駆け寄ってきた。「やあ、お疲れさま」とオレ。「送りましょうか?」と持ち掛けると先客がいるとのこと。

信号を渡ると隣で飲んでいた大阪の酔客が車を出して待っていた。「おやすみなさい」と声をかけて地下駐車場へ。

そこから琵琶湖までの道は酔っていたことが原因だが、少しばかり苦痛だった。この事態を実は予想していなかったわけじゃない。ただ、信じていたくて考えなかっただけさ。

心のモードを旅に戻すべきだ。それからのストーンズはずっとアコースティックな演奏をしていた。

琵琶湖に戻ると少しも美味くないビールを飲んで、すぐにシェラフにもぐり込んだ。まるですべての記憶を消そうとするかのように。

朝が来て、これから最後の旅が始まる。昨夜のことはあまり思い出さずに車を出して、161号国道を日本海に向けて走り出す。しばらくは琵琶湖を右手に見る。素晴らしい景色に旅情をかきたてる駅の風景。そんな中を走り、やがて最初の道の駅。

静かな店で朝食をとり、何の記録も残さずに出た。ただただ茫々としていた。

2001・5・5 13:00 8号国道‐河野(道の駅) 890㎞

彼女に会っていろいろな場所を走り、いろいろな思いをして、走行距離はほぼ900㎞に達し、日本海と再会した。

琵琶湖のことを書けなかったけど、胸はいっぱいだった気もするし、空っぽだった気もする。

楽しかったよ。ルートも素晴らしかった。いつも思う。ここにいてよかった。今も感じている。

途中に敦賀を通った。通るたびに切なくなった街。でも今のオレはもうあの時点から遥かな遠くへ来てしまった。また思い出すこともあるだろうけど、特別な思いが去来することもなく通り過ぎてしまった。

駅へ続く道は少しばかりきれいになっている気がした。その通りを眺めた時、不意にかつての恋人がそこにいるような気がした。

ここで彼女にメールを送った。オレの旅はまた別の段階に入っている。

「二日間楽しかったよ。今福井の河野という所で海を見てる。今夜もどっかで寝て明日帰る。また会いにいくよ!」。

18:44 8号国道‐福岡の湯 1037㎞

武生、鯖江、福井、加賀、小松、金沢、小矢部。道は断続的に混みあい、予想を遥かに上回る時間に富山入りした。

8号国道からの風景に変化はなく、考えることもなく退屈な時間が過ぎていった。途中で小松の回転寿司屋で昼食。全品100円の皿はどれも驚くほど美味かった。

倶利伽羅谷あたりから風景に変化が生じて、ここで湯に浸かった。ずいぶんいろんなものが汗と一緒に流れたようで体がかなり軽く感じる。湯から上がって番台のご主人と少し話をして煙草を吸う。

自由を取り戻したような気がしたよ。少しばかり恋にしばられていたから。

今夜も月が出ている。あとどれくらい走れば海に出るだろうか。

あとは夕食のことだけ考えればいい。道も空いてくるだろう。これから本当の自由がやってくる。

20:10 ウェーブパークなめりかわ(道の駅) 1086㎞

夜が来て、退屈な町並を隠す。

風景は点々と明かりの灯るロマンティックなものに変わった。富山駅方面の賑やかな明かりに見覚えがあった。このあたりにはこれまでどれくらい足を運んできたことだろう。

ここは去年の7月以来になる。外に出て海を見て心地いい夜風にあたると懐かしい気持ちになる。戻ってきたという思いが強くなる。

今は雲に隠れてしまったけど、今夜はいい月が出ている。旅を始めた頃の夜を思い出す。たいてい月が出ていたものだよ。あの頃は。

いくつもあった感動は今回あたりから感傷や感慨に変わりつつある。ずいぶんいろんなところに足跡をつけてきたものだとあらためて思う。

そしてもっと別の場所に出ていく必要があるのじゃないかと思い始めている。そろそろいいだろうと思い始めている。

ここには、生きていればまた戻ってくることもあるだろう。そのあたりのことを疑おうとは思わない。

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