「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その2 ‐横川、軽井沢、平原、乙女、馬流(信越本線/JRバス関東碓氷線/しなの鉄道/小海線)/秩父事件戦死者の墓【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】
鉄旅日記2022年8月11日・・・横川駅、軽井沢駅、平原駅、乙女駅、馬流駅(信越本線/JRバス関東碓氷線/しなの鉄道/小海線)/秩父事件戦死者の墓
11:06 横川(よこかわ)駅(信越本線 群馬県)
ずいぶん乗客が多いと思っていたよ。
この夏休み。碓氷峠を越えて軽井沢に向かう列に加わり、やがてバスは発車する。
ホームにはSLに曳かれたブルートレインが止まり、ホームでは太鼓の演奏。駅は人であふれ返り、臨時に駅員さんが立ち、峠の釜飯の売店には明かりがついている。


こうした賑わいを懐かしく思う。
周辺の突兀とした山並を写す機会はなく、写真には人が多く写っている。

12:24 軽井沢(かるいざわ)駅(北陸新幹線/しなの鉄道 長野県)
峠の蛇行道に揺られ、満員の車内では眠っていた。いくつか思い出がないわけじゃないが、、、碓氷峠を越えることで沸き上がる思いの湧出に期待していなかったわけじゃないが、、、人流の中に埋もれた。

旧軽井沢駅舎はイタリアン・レストランを伴い、しなの鉄道管内で現役を保っていた。


コロナ感染は第7波。空前の感染者数を日々数えるが、横川も軽井沢も観光地の有り様を示している。

これでいい。こんな騒ぎはもうたくさんだ。
12:51 平原(ひらはら)駅(しなの鉄道 長野県)にて



13:28 乙女(おとめ)駅(小海線 長野県)
中軽井沢、信濃追分、御代田。満員だった車内が空いていく。車窓からは浅間山。やがて平原駅。
田圃の中にだるま駅舎。他は何もない。1921年に信号場として設けられ、その31年後に駅として昇格している。
小海線の乙女駅まで歩く。乙女、、、駅旅人として見過ごしにできない駅名だから。
ほぼ線路に沿った畝道がある。やがて農作業車とすれ違う。よかった。この道は通じている。



前方に高架県道が現れ、鉄路を往く音を確かに聞いた。案外近かった。



平原駅からは約20分。何の表示もない階段の下に乙女駅のホームはあった。




ホームの先には乙女湖公園への入口。どんな湖かと歩いていくが、繰矢川の瀬音を聞くのみ。がらんどうの駐車場には犬を連れた中年夫婦の姿があるのみ。

湿気はなく、風は爽やか。これが信濃の夏。そして何が楽しいのかたまに分からなくなるが、昨日までのイヤなことはすべて忘れている。
駐車違反で反則金の請求もくる。役員を勤める会社は年寄りだらけで覇気はなく、集まれば小田原評定。気持ちを奮い立たせなければ仕事に出かける気にはならない日常。
救いを求めるように隣の金蓮院に参るのが日課だが、いつも感謝の気持ちが先にくる。
しなの鉄道と小海線が分岐していく様がホームから見える。

14:49 馬流(まながし)駅(小海線 長野県)
3週前に恋人と海ノ口温泉に泊まった際に寄るつもりでいた駅に降りた。「秩父事件戦死者の墓」と大書されているのを初めて見て以来、念願のひとつだった。



駅からコの字に歩き、踏切の先。秩父事件暴徒の墓とある。そして井出宗作の妻ジャウの墓碑に続く道。



昭和の軍部の暴走を例外とすれば、ここがこの国最後の内戦の終焉地にあたるようだ。
秩父から山を伝えば佐久に出るのか。なるほど。
42年前の大河ドラマ「獅子の時代」の最終章。秩父「困民党」に与した菅原文太さん演じる平沼銑次と、村井国夫さん演じる伊河泉太郎がいたのもここなのだろう。泉太郎は銃弾に斃れるが、銑次はひとり切り抜けていき、やがて。
銑次の姿は消えて、彼が手にしていた「自由自治元年」の旗だけが血路に落ちていた。
諏訪神社も墓地も夏草に覆われ、蝉の声しか聞こえてこない。涼しい風が時折吹き抜ける。


そしてこの風に乗って鉄路を伝う音が聞こえてくる。

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