*

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その3 ‐黒磯、泉崎、白河、郡山(東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

公開日: : 旅話, 旅話 2022年

鉄旅日記2022年5月7日・・・黒磯駅、泉崎駅、白河駅、郡山駅(東北本線)

10:17  黒磯(くろいそ)駅(東北本線 栃木県)

何度も降りてきた黒磯。東北を旅するなら否応なくこの駅での乗り継ぎを強要される。

久々な気もするが記憶はここ10数年の間をさまよう。練馬から乗り継いで降り立ち、陸奥から戻り練馬に帰る。そんな頃があるいは最後なのかもしれない。

王座交代劇の町、黒磯。それも40年以上前のこと。ジャイアント馬場は十六文キックを決めて大木金太郎との2冠戦に勝ち、3年後の1980年にジャンボ鶴田は狂犬ディック・マードックに鹿児島で奪われたUN王座を奪還した。

音速で通りすぎた東北新幹線も当時は開通前。でも現在より人は多くいたのだろう。

「駅そば」があった空間はもはや思い出せず、NewDaysは閉まっていた。

新白河行が停車するホームへと歩いていく。

11:09  泉崎(いずみざき)駅(東北本線 福島県)

新白河で乗り継ぎ、3駅目。この駅に降りたことにより上野から郡山までの東北本線全駅に降りたことになる。

アホらしいとも言えるが、密かな達成感があり、古河あたりで振り返ったように沿線での記憶が蘇る。

駅前に食堂が1軒。その存在は事前にネットで知っていた。だが暖簾はしまわれ、開く気配もない。

ここで食事との思いもあったが、このまま酒もなく待てない。白河まで2駅を戻り再び下りを待つことにする。

田に水が張られた風景に、同じ5月にみちのくを旅した記憶が重なる。

11:34  白河(しらかわ)駅(東北本線 福島県)

車内では「天狗騒乱」に夢中でいた。

駅舎内にほのかな灯が見える。駅カフェ。そんな時間の過ごし方もいいだろう。生ビールもしばらく飲んでいない。

歴史的な駅舎を写して、今は駅前を眺めながら生ビールを味わっている。30分とは案外長いものだ。

美味しいカレーが出てきて、白河の時もあとわずか。お店の女性に「これからどちらへ」と。

この問いを受けるのは旅人の本懐とも言える。「磐梯熱海の湯に浸かりにいきます」とニッコリ。もっともマスクで見えないが。

木造建築の粋を集めたような構内。

ホームから小峰城を見渡し、戊辰戦争時にあの城をめぐって苦闘した西郷頼母率いる会津藩、細谷十太夫が率いた仙台藩「鴉組」、ここで全滅した阿部内膳率いる棚倉藩十六ささげ隊を想い、強い風が小糠雨を散らす様を眺めていた。

13:05  郡山(こおりやま)駅(東北・北海道新幹線/東北本線/水郡線/磐越東線/磐越西線 福島県)

大人の休日倶楽部会報誌に載っていた日本酒bar「もりっしゅ」でグラスとつまみ3種盛り。カードを提示するとおちょこ一杯の酒が提供される。

郡山は晴れ渡り、四半世紀前の記憶をたどる。あるいはここじゃいつもそうしていたのかもしれない。

まだバブルの余韻が残る街で夜を明かし、友と語らい、三十路に入ってすぐには恋に似たものを味わった。定かなものは、もうないけれど。

友とは四十路のはじめにやはりこの街で会っている。以来のご無沙汰。あれから何度も通っている。

奥さん、娘さんと幸せに暮らしている様を思えば、今さら迷惑だろうと連絡はしていない。

ホテルズドットコム(Hotels.com)予約キャンペーン https://jp.hotels.com/

スーパーマーケット成城石井  http://www.seijoishii.com/

関連記事

「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その2‐万能倉、神辺、井原、吉備真備(福塩線/井原鉄道)【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月26日・・・万能倉駅、神辺駅、井原駅、吉備真備駅(福塩線/井原鉄道)

記事を読む

「車旅日記」2005年冬 最終日(人吉-熊本空港)走行距離240㎞ その1-人吉駅、一勝地駅、球泉洞駅、佐敷駅、上田浦駅、千丁駅、有佐駅、道の駅不知火 【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】

車旅日記2005年2月13日・・・人吉駅、一勝地駅、球泉洞駅、佐敷駅、上田浦駅、千丁駅、有佐駅、道の

記事を読む

「車旅日記」1998年夏 初日(東京-伊那-木曽)-東京町田、相模湖駅、鳥沢駅、道の駅甲斐大和、勝沼、長坂、伊那市駅、道の駅日義 木曽駒高原 【伊那、木曽から志賀高原へ。気乗りのしない旅で選んだ行き先は、初夏の信濃路でございました。】

車旅日記1998年7月18日 1998・7・18 12:48 東京町田 久しぶりに空がよく晴れてい

記事を読む

「鉄旅日記」2022年如月 初日(東京-常陸大子)その3 ‐鹿島神宮(鹿島線)・・・その1‐天狗党墓/鹿島神宮西の一之鳥居/大船津稲荷神社/鎌足神社/龍神社/鹿島神宮 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月5日・・・鹿島神宮駅(鹿島線)/天狗党墓/鹿島神宮西の一之鳥居/大船津稲荷神

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春 2日目(西舞鶴-魚津)その1-西舞鶴、東舞鶴、若狭高浜、小浜、上中、十村、木ノ本、余呉、高月、永原、敦賀(舞鶴線/小浜線/北陸本線/湖西線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】

鉄旅日記2014年3月22日その1・・・西舞鶴駅、東舞鶴駅、若狭高浜駅、小浜駅、上中駅、十村駅、木ノ

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その4-陸奥湊、白銀、鮫、久慈、宮古(八戸線/三陸鉄道リアス線) /蛇の目寿司【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月22日・・・陸奥湊駅、白銀駅、鮫駅、久慈駅、宮古駅(八戸線/三陸鉄道リアス線)

記事を読む

「車旅日記」1998年夏 4日目(遠野-釜石-気仙沼-鳴子温泉)-遠野徳田屋旅館、遠野駅、釜石駅、釜石大観音、道の駅高田松原、気仙沼港、南気仙沼駅、小梨駅、一ノ関駅、鳴子サンハイツ 【20代最後の旅でございます。青森港から北海道上陸を目指して北へ向かったのでございますが・・・。】

車旅日記1998年8月15日 1998・8・15 8:00 遠野 徳田屋旅館 4日目。 宿で知り合

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、富山・岐阜途中下車旅】最終日(富山-東京)その2-美濃太田、可児、姫、下切、南木曽、田立、勝沼ぶどう郷(太多線、中央本線)

鉄旅日記2012年8月26日その2・・・美濃太田駅、可児駅、姫駅、下切駅、南木曽駅、田立駅、勝沼ぶど

記事を読む

「鉄旅日記」2011年秋【再びみちのくひとり旅】最終日(長井-東京)-長井、荒砥、赤湯、羽前千歳、作並、東照宮、槻木、角田、福島、飯坂温泉、本宮、宇都宮、雀宮(山形鉄道/仙山線/阿武隈急行/福島交通飯坂線/東北本線)

鉄旅日記2011年11月6日・・・長井駅、荒砥駅、赤湯駅、羽前千歳駅、作並駅、東照宮駅、槻木駅、角田

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走 2日目(津-松阪-伊勢奥津-鳥羽-神島)その3-神島にて・・・八代神社、神島灯台、監的哨、ニワの浜、神島山海荘あじさい 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

鉄旅日記2018年12月23日・・・八代神社、神島灯台、監的哨、ニワの浜、神島山海荘あじさい 14

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その3 ‐黒磯、泉崎、白河、郡山(東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・黒磯駅、泉崎駅、白河駅、郡山駅(東北

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その2 ‐文挟、鹿沼、鶴田、宇都宮(日光線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・文挟駅、鹿沼駅、鶴田駅、宇都宮駅(日

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その1 ‐金町、上野、宇都宮(常磐線/東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・金町駅、上野駅、宇都宮駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その4 ‐西国分寺、北府中、新小平、青梅街道、北朝霞、朝霞台(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・西国分寺駅、北府中駅、新小平駅、青

→もっと見る

    PAGE TOP ↑