「鉄旅日記」2011年夏【みちのくひとり旅】最終日(花巻-東京)-花巻、平泉、一ノ関、仙台、白石、福島、郡山、矢吹、黒磯、宝積寺、古河、蓮田、西川口(東北本線)
鉄旅日記2011年8月17日・・・花巻駅、平泉駅、一ノ関駅、仙台駅、白石駅、福島駅、郡山駅、矢吹駅、黒磯駅、宝積寺駅、古河駅、蓮田駅、西川口駅(東北本線)
2011・8・17 5:50 花巻(はなまき)駅(東北本線/釜石線 岩手県)
あのこんもりとした森、イトーヨーカドーの背後に見えたあの森が、やはり城跡だったんだ。
駅前に地図、あったじゃないか。
観光案内所のところにちゃんと。
明るくなると、明るみになるっていうことだ。
ちょっと残念。
ホームに花巻ししおどりの置物がある。
代わりに記録しておくよ。
予報じゃ今日も暑くなる。
そして雨の気配も消えていない。
オレが泊まった東口出口でラジオ体操をやってる。
何やら近くからメロディーが聞こえると思ったら、腕を回してる姿が見える。
小さな子どもじゃなくて中学生くらいの集まりだ。
何か集まりでもあったのか?的な、まとまりのない姿もいくつか見える。
花巻に降りる機会はまたある。
次は釜石線に乗りに行くんだ。
昨日車窓から味のある古街道が見えたのを、さっき同じ風景を見た時に思い出した。
そうかあのあたりに行けばよかったんだな。
大曲のケースと同じだ。
一度の訪問ですべてが見えるほど街は薄っぺらいものじゃない。
7:09 平泉(ひらいずみ)駅(東北本線 岩手県)
花巻東高校を思い出すのを忘れていた。
水沢は小沢一郎代議士の地盤だったか。
沿線中じゃ大きな街だった。
3度目の平泉。
1000年以上前ここに京都、鎌倉と並ぶ都があった。
歴史っていうのは面白いもんだ。
義経、弁慶、奥州藤原一族が滅んだ後、この地がどうなったのか伝わってこない。
唯一、松尾芭蕉が立ち寄って「夏草や兵どもが夢の跡」の句を詠んだことのみを知っている。
平泉が世界遺産に登録されたのはつい最近のことだ。
それに合わせたわけじゃないだろうが、駅は改装中だった。
有数の観光地にしては駅のたたずまいは穏やかで好ましい。
角館はちょっとやかましかった。
そりゃ弁慶にも墓くらいあるだろうが、それがこれだと伝わっている五重塔があることを初めて知った。
現在の平泉は暮らしの中にある。
たくさんの高校生が乗り込んできた。
概して女子には訛りがない。
陸中娘もなかなか美人が多い。
7:55 一ノ関(いちのせき)駅(東北新幹線/東北本線/大船渡線 岩手県)
ああそうだ。
前回はここで駅弁を買って鳴子に向かったんだ。
そう、大船渡、気仙沼と辿って・・・。
物見遊山になるし、宿は復興に携わる人々のために塞がってる。
だからまた今度だ。
東日本大震災の被災地に行くのはまた今度だ。
一ノ関は一度じっくり歩いてみたいと思う街だった。
平泉に行くにはここで降りろと看板が謳ってる。
脇の娘たちはどこで降りるのだろう?
9:38 仙台(せんだい)駅(東北新幹線/東北本線/石巻線/仙山線/仙台空港鉄道 宮城県)
東北本線の車窓から海が見えるとは知らなかった。
途中の松島、塩釜でのことだ。
次は降りてみよう。
東北の旅は続いていく。
仙台駅構内にいるのだって、まだ2度目なんだ。
珍しいものを見るような目で歩いていたよ。
今回も仙台での時間は作っていない。
一度泊まったけど、間違いなくオレは仙台を知らない。
10:55 白石(しろいし)駅(東北本線 宮城県)
片倉小十郎の城下町。
幕末に奥羽列藩会談が開かれ、奥州は独立を目指すことで合意。
やがて戦場となった。
伝わらない悲劇もある。
駅からお城まで一直線の道が延びている。
東北新幹線蔵王白石駅を有する街には古来から格が与えられているんだろう。
岡山の笠岡を思い出す。
白石は30分やそこらで離れるような街じゃない。
こうして好きな街がオレの中で存在を主張するようになる。
福島盆地が見えてきた。
11:32 福島(ふくしま)駅(東北新幹線/山形新幹線/東北本線/奥羽本線/阿武隈急行/福島交通 福島県)
信夫山・・・2年ぶりか。
あの姿は馴染みのものとなった。
白石方面から上がってきて、過ぎ去るまでじっくり見たよ。
阿武隈急行、飯坂線にも興味は募る。
伊達の聖光学院は専用の野球グランドで今日も練習。
福島中通りに、人に、原発騒動による混乱は見られない。
友との再会が近づいている。
今日は一日晴れだな。
11:48 東北本線にて
お疲れさま。
もうじきお昼だねー
福島から郡山に向かってるとこでね。
11:22に着く。
改札口で友と再会。
髪がだいぶ薄くなってるらしい。
そう言えば、最後に会った時も結構イッテたっけなあ。
今日はこっちも暑いよ。
東京の暑さに戻るいい肩慣らしになるよ。
またね
14:52 郡山(こおりやま)駅(東北新幹線/東北本線/磐越東線/磐越西線/水郡線 福島県)
Eさんの奥さんがむすんでくれたお握り。
最高の味だよ。
そうそう食べられるもんじゃない。
心の広いEさん夫婦。
ああいう人に会うと気づかざるを得ない。
己の器の小ささとせこさにさ。
感動と感謝。
オレにはいい友人がいる。
それだけで人生には価値がある。
素晴らしい旅。
素晴らしい人生。
どっちも続いていく。
郡山を離れ、14:59安積永盛着。
思えば、初めて旅に出たのは彼等に会うためだった。
あれから16年。
かろうじてだけど、ようやく肩を並べることができたよ。
15:38 矢吹(やぶき)駅(東北本線 福島県)
思いがけず小さな町で列車を降りる羽目になった。
乗っていたのは矢吹行だったんだ。
4号国道に向かってメイン・ストリートが延びている。
この町でも神社脇にスナック街があり、蝉時雨が夏の午後に降り注いでいた。
埴輪を象ったような駅には役場機能以外がすべて収まっているような感じで、託児所があり、27日には祭とともにビヤガーデンが開かれる。
駅を中心に暮らしがある。
こんな町に降りられて幸せだよ。
やってきた黒磯行が混んでる。
別に構わないが驚いた。
16:46 黒磯(くろいそ)駅(東北本線 栃木県)
さっきの満員の乗客はほぼ東京方面にいく人々だった。
大きな荷物を持ってそのまま快速上野行に乗っていった。
宇都宮大宮間の乗客が一番多かったのかもしれない。
那須ナンバーが行き交う黒磯。
じっくり歩きたいと思っていた。
印象は前回と変わらないけど、ひととき街の一部になれてよかった。
ここから白河方面に向かったところ、那珂川に架かる橋を名所として紹介してた。
あの風景は確かに見事だ。
黒磯で真っ先に思い出す風景だ。
白河黒磯間の緑も美しい。
東北本線屈指と言ってもいいかもしれない。
17:47 宝積寺(ほうしゃくじ)駅(東北本線/烏山線 栃木県)
祝開業88周年の烏山線に乗る予定だったが乗り遅れてしまった。
仕方なく外に出てみる。
ロックバンドの生演奏が聞こえる町だった。
そう覚えておこう。
新しい駅舎はあまり好きじゃないが、ここはイカシテル。
外の駅名表示がたまらなく粋だ。
18:57 古河(こが)駅(東北本線 茨城県)
11年前に旅を再開した際に寄った2つ目の駅がここだった。
渡良瀬遊水地が近い。
ここを都会のようだと表現した当時のオレ。
言ってみれば無理もない。
それほど多くの街を知ってはいなかった。
あれから果てしない数の街を見て歩いて、古河に帰ってきた。
ここは変わっていないな。
茨城じゃ水戸、取手、土浦あたりと変わらない街だろう。
繁華街のネオンも眩しい。
人も多い。
だけどやっぱり小さく感じたよ。
これから東京に近づくにつれて街はどんどん大きくなる。
でもここに寄れてよかった。
以前車で立ち寄った街を、列車に乗ってで再び訪ねたいという思いがあり、古河は最有力といっていい存在だった。
胸のつかえもとれたよ。
19:41 蓮田(はすだ)駅(東北本線 埼玉県)
関東の暑さだ。
じっとりと暑い。
とうとう通勤圏まで帰ってきた。
人は多いがこじんまりとした駅前風景。
線路に沿ってスナックの灯が点々と続き、猫も走ってる。
蓮田市民祭の提灯が鈴なりになった様も今回通ってきた街を思い出させる。
旅は埼玉に入っても続いている。
19:57 宇都宮線にて
お疲れさま。
東京近郊まで戻ってきたよ。
でもまだ埼玉県。
21:30着ってとこかな。
牛乳買ってかなきゃ。
早く帰ってるようならシャワー浴びてさっぱりしてて。
さっき外出たけど、関東はやっぱり暑いね。
20:35 西川口(にしかわぐち)駅(東北本線 埼玉県)
与野から西川口へ。
これで今回の旅はおしまいだ。
西川口はなかなか強烈な街だった。
大阪を思わせるギラギラのネオンに立ち飲みの焼き鳥屋、良心を一切持ち合わせていなさそうな客引きのチンピラ。
練馬にはいない人種だ。
電車の中にも似たようなのがいる。
このあたりの埼玉下町、強烈だよ。
若干の恐怖を覚えるほどだ。
花巻から西川口まで鈍行で帰ってきたのか。
冗談みたいな行程だが、これこそ東北本線の旅。
途中古い友人にも会えて面白かった。
20:47赤羽発。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その3 ‐川部、五所川原、木造(五能線)/神武食堂 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】
鉄旅日記2022年1月9日・・・川部駅、五所川原駅、木造駅(五能線)/神武食堂 12:53&
-
-
「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】3日目 いよいよ金沢へ‐その1(R1→湖岸道路)伏見、山科西野、大津駅、瀬田駅、守山、彦根
車旅日記1996年5月5日 1996・5・5 11:36 1号国道‐伏見 黄金週間の混雑は古都の上
-
-
「鉄旅日記」2008年初夏 初日(東京-和歌山)その2-畝傍、高田、大和高田、近鉄郡山、郡山、王寺、五条、和歌山(桜井線/近鉄大阪線/近鉄橿原線/和歌山線) 【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】
鉄旅日記2008年7月19日・・・畝傍駅、高田駅、大和高田駅、近鉄郡山駅、郡山駅、王寺駅、五条駅、和
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 3日目(肥前鹿島-門司港)その4‐南風崎、ハウステンボス、早岐(大村線)/小佐々弾正・甚五郎塚 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月15日・・・南風崎駅、ハウステンボス駅、早岐駅(大村線)/小佐々弾正・甚五郎
-
-
「鉄旅日記」2020年初秋 3日目(高松)その2 ‐金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅師墓 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】
車旅日記2020年9月21日・・・金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅
-
-
「車旅日記」2005年初夏 最終日(新潟-長岡)走行距離246㎞ その2-青海川駅、安田駅、北条駅、長鳥駅、来迎寺駅、長岡駅、東京葛飾金町 【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】
車旅日記2005年7月18日・・・青海川駅、安田駅、北条駅、長鳥駅、来迎寺駅、長岡駅、東京葛飾金町
-
-
「鉄旅日記」2020年如月 初日(東京-大船渡)その4‐前谷地、志津川、南気仙沼、気仙沼(気仙沼線)/南三陸さんさん商店街 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】
鉄旅日記2020年2月22日・・・前谷地駅、志津川駅、南気仙沼駅、気仙沼駅(気仙沼線)/南三陸さんさ
-
-
2018年秋 最終日(松戸-五井-大原-安房鴨川-松戸)その2-養老渓谷、上総中野、大多喜、国吉、大原(小湊鉄道/いすみ鉄道) 【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】
鉄旅日記2018年9月23日・・・養老渓谷駅、上総中野駅、大多喜駅、国吉駅、大原駅(小湊鉄道/いすみ
-
-
「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その4‐青森、新青森、津軽新城、鶴ヶ坂、浪岡(奥羽本線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】
鉄旅日記2019年11月2日・・・青森駅、新青森駅、津軽新城駅、鶴ヶ坂駅、浪岡駅(奥羽本線) 19
-
-
「鉄旅日記」2009年秋 最終日(新庄-東京)その1-新庄、最上、鳴子温泉、岩出山、北浦、小牛田、鹿又、石巻(陸羽東線/石巻線) 【女川を目指した旅。ここには震災前の女川の姿が残されております。】
鉄旅日記2009年10月11日・・・新庄駅、最上駅、鳴子温泉駅、岩出山駅、北浦駅、小牛田駅、鹿又駅、