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「車旅日記」2001年盛夏 初日(東京-琵琶湖西)その1-高尾山口駅、道の駅甲斐大和、道の駅信州蔦木宿【思い出深き四国初上陸でございます。福山に帰省していた友と待ち合わせ、いつも想っていたのは京都の彼女のことでございます。】

公開日: : 旅話, 旅話 2001年

車旅日記2001年8月10日~11日 高尾山口駅、道の駅甲斐大和、道の駅信州蔦木宿

2001・8・10 23:25 高尾山口駅 69㎞

路上が濡れている。ひと息入れる間もなく涼しい金町を後にした。

昨夜は気持ちが重くなるような事態に陥って、得意先の女性のマンションで朝を迎えることになった。何もしちゃいないさ。だからというか、、、気まずかった。あの方は今後オレに仕事を持ちかけてくることはないだろう。

この一週間は少しだけ忙しい日々を送り、車に乗り込むまで仕事はつきまとったけど、今日はラッキーだったのかもしれない。トラブルから逃げずにいることで、何とか休み明けの対応で勘弁してもらうことができた。得意先に感謝したい。

環状7号線の渋滞情報に接して、上野、銀座、新宿を抜けるルートをとった。20号国道の起点から始める旅だ。

どの街でも通りから見えるカフェやレストランでは、お洒落をした女性たちが連休前の夜を楽しんでいる。今夜はいつもの夜より開放感がある。みんないい顔をしている。

都心は蒸し暑かった。葛飾あたりとはだいぶ違う。そしてここ高尾とも違う。いい雰囲気だな、ここは。

都心から一番近い避暑地とも言えるここも、さすがにこの時間じゃ人の気配はない。まだ終電車には早いけど、さっき着いた列車から降りた客はまばらだった。

駅前はまさに登山口。笠をかぶった天狗の置物が立ち、広場は池や小さな公園をあわせ持っている。昼間はどんな色をしているのだろう。

もう10年以上も前に想いを寄せていた一つ年上の女性がこの街で暮らしていた。一瞬美しい彼女の顔が浮かんだ。そうか、まだ思い出すことができたのか。

昨夜のこともあったから体調を少し心配していたけど、調子は悪くないようだ。去年の夏旅で連絡をとり合った友は、もう故郷の福山でのんびりしているという。

そう、ずっと去年の夏を思い出しながらここまできた。あれから一年。その一年前と比較してみれば、より多くのものが今のオレの中にはある。

2001・8・11 5:16 20号国道‐甲斐大和(道の駅) 129㎞

気づけば朝の5時。少し休もうと思って目を閉じたら、思った以上に眠ったようだ。夢も見ていない。浅い眠りだったのだろう。すっかり旅に慣れたようだ。

今日はどれほどの距離を走ればいいのか。おそらく400㎞あたりか。昨夜は結果的に東京を脱出するためにあてられたようなものだけど、それでいい。東京を離れることに意味があるんだ。

どんなに時間がかかってもいい。東京から離れなければならない。だからそのための夜があってもいい。

ここは甲斐の国。涼しい朝を迎えている。笹子トンネルを抜けた先にあるこの道の駅は、もはやすっかり馴染みの場所。かつてここで月を見て、過ぎてきた旅に対して感傷的な笑みを浮かべて町田に帰った記憶が蘇る。

今回の出発ではいつもと違って考える時間もなく部屋を出たため、日常との境目が曖昧になっている。つまりここまで過ぎてきた時間に対して、さして特別性を感じていない。

これも日常と考えていい。まぎれもなくオレの日常だ。3日間連絡をとらなかった彼女のことを思い出している。

6:37 20号国道‐信州蔦木宿(道の駅) 191㎞

勝沼のブドウ園は朝早くから客を待っている。とても雰囲気のいい明かりを点していた。途中雨がちらつき空の色は冴えない。どこまで行けば晴れるだろうか。

記憶違いでコンビニでの朝食に失敗。昨日は一食分のパンしか腹に入れていないはずだが、体は正常に機能している。

去年はここから始まった。ペースは早いようだ。そして道路状況もいいようだ。

ここにいるのは3度目になる。あの河原に下りてみるのもいいと思うのは毎度のことだが、結局今日もそうすることなく離れる。温泉も備えているけど、ここの湯につかったことはない。

こんな旅がまだ続くのなら、いつかゆっくりつかってみたい。そして甲斐路から信濃路に入ったことに思いを馳せ、過ぎ去った日々を振り返るだろう。

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