「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その4 ‐板柳、川部、撫牛子、大釈迦、鶴ヶ坂(五能線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】
鉄旅日記2022年1月9日・・・板柳駅、川部駅、撫牛子駅、大釈迦駅、鶴ヶ坂駅(五能線/奥羽本線)
14:53 板柳(いたやなぎ)駅(五能線 青森県)
五所川原を出ると列車は雪原を往く。


陸奥鶴田、鶴泊と丹頂鶴の里を抜けるとリンゴの里、板柳に到着。ここで「リゾートしらかみ」との行き違い待ち5分の停車。

かつてはKIOSKも「駅そば」もあったというが、いつの頃かになくなり、3年前にはみどりの窓口も営業を停止。同じ年に無人駅になったとのこと。

ここは板柳町の中心地にあたる。駅前広場は雪に覆われているが、その先はきれいに除雪された町並が続いていた。


15:08 川部(かわべ)駅(奥羽本線/五能線 青森県)
再びの川部。ここでまた逆方向に進行する。
7分の停車。短かったが五能線の旅はこれで終了。ホームに立つ五能線終点の標識を写す。1998年までは国鉄から弘南鉄道に転換した黒石線が乗り入れていた川部駅。さっき写した駅舎は武豊線亀崎駅に次ぐ日本最古の現役駅舎とのこと。

晴天から吹雪に変わったことを東京の恋人に伝えた。
15:27 撫牛子(ないじょうし)駅(奥羽本線/五能線 青森県)
川部から弘前方面にひと駅。この駅にもかつて降りたことがある。あの日は夜だった。何もなくて闇に薄ぼんやりと浮かぶ駅舎だけを写して離れた。
いずれにしても駅との再会にはいつも胸高鳴る。

今聞こえたのは鶴の声。5羽が鶴の里に向かう姿を目撃できた。
空が明るくなったけど、また雪が落ちてきた。手に触れるとすぐに蒸発する。
ここなら雪景の津軽平野が望めるかもしれない。そう思い、ここ撫牛子駅で青森行を待つことにした。そして思いを達した。


まるで幻のように八甲田へと連なる山々が白をかぶっている。若干朱を帯びているように見えるのは、あのあたりじゃ日が射しているのだろう。

この雪は積もるな。また激しく降り始めた。
15:58 大釈迦(だいしゃか)駅(奥羽本線 青森県)
北常盤を過ぎると車窓はホワイトアウトしたかと思わせるように真っ白になった。
雪の粒は大きくなり、完全なる本降り。積雪は増す。いつまで降り続くのか。東京の予報じゃ、この地域にはしばらく雪のマークは消えない。

列車行き違い2分の停車。小さな駅に灯がともっていた。

桓武天皇の御代、命名起源を奈良時代に持つ梵珠山の登山口にあたるこの地に、鬼門封じのために釈迦像を安置したことが地名の由来とのこと。
梵珠山には古くから発光現象が伝わり、その目撃情報は現在も後を絶たず、さらに釈迦の墓と伝わるものが8合目にある。
遣唐使として唐に渡った道昭大僧都が、かの地で師事した「西遊記」でお馴染みの玄奘三蔵より釈迦の骨を分けてもらい、国外移住者の多かったこの地に埋葬したという。
16:07 鶴ケ坂(つるがさか)駅(奥羽本線 青森県)
青森という大きな街まであと少し。その途中に雪に埋もれた駅がある。鶴が舞い降りた坂の多い町。ここに降りるのは2度目になる。

保線員さんなのだろうか。寒いホームに立ち尽くしている。

青森とはこのように困難を乗り越えた先にある街なのか。降り積もった雪と雪壁を前にしては険しいという印象しか記し得ない。
2台の車が駅前を通りすぎていった。

ホテルズドットコム(Hotels.com)予約キャンペーン https://jp.hotels.com/
スーパーマーケット成城石井 http://www.seijoishii.com/
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2022年新春 最終日(三沢-東京)その3 ‐鹿島、原ノ町、いわき、常陸多賀、勝田(常磐線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】
鉄旅日記2022年1月10日・・・鹿島駅、原ノ町駅、いわき駅、常陸多賀駅、勝田駅(常磐線)
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その6‐博多南、博多、鳥栖、佐賀、肥前鹿島(博多南線/鹿児島本線/長崎本線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月14日・・・博多南駅、博多駅、鳥栖駅、佐賀駅、肥前鹿島駅(博多南線/鹿児島本
-
-
「鉄旅日記」2017年秋 その1-東長崎、本鵠沼、鵠沼海岸、藤沢、石上、柳小路、鵠沼、湘南海岸公園、鎌倉(西武池袋線/小田急電鉄江ノ島線/江ノ島電鉄) 【湘南へ向かう休日。江ノ電に乗りに行ったのでございます。】
鉄旅日記2017年11月12日・・・東長崎駅、本鵠沼駅、鵠沼海岸駅、藤沢駅、石上駅、柳小路駅、鵠沼駅
-
-
「車旅日記」2000年夏Part.1 初日(東京‐諏訪)葛飾金町、調布駅、高尾駅、桂川ドライブイン、甲府芸術の森公園、道の駅信州蔦木宿、上諏訪 【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】
車旅日記2000年7月20日 2000・7・20 8:10 東京葛飾金町 天気は良好。 やけに雲が
-
-
「鉄旅日記」2020年如月 初日(東京-大船渡)その5‐奇跡の一本松、陸前高田、大船渡(大船渡線)/居酒屋膳/やきとり香善 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】
鉄旅日記2020年2月22日・・・奇跡の一本松駅、陸前高田駅、大船渡駅(大船渡線)/居酒屋膳/やきと
-
-
「鉄旅日記」2018年如月 最終日(直江津-六日町-大前-東京)その2-八色、浦佐、五日町、水上、後閑、上牧、八木原(上越線) 【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】
鉄旅日記2018年2月11日・・・八色駅、浦佐駅、五日町駅、水上駅、後閑駅、上牧駅、八木原駅(上越線
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その5‐京福嵐山、阪急嵐山、嵐電嵯峨、トロッコ嵯峨、嵯峨嵐山、京都(京福電鉄嵐山本線/東海道新幹線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月26日・・・京福嵐山駅、阪急嵐山駅、嵐電嵯峨駅、トロッコ嵯峨駅、嵯峨嵐山駅、
-
-
「鉄旅日記」2020年晩秋 初日(東京-砺波)その3 ‐氷見、雨晴、越中国分、伏木、中伏木(氷見線/万葉線)/義経岩/伏木神社 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月21日・・・氷見駅、雨晴駅、越中国分駅、伏木駅、中伏木駅(氷見線/万葉線)
-
-
「鉄旅日記」2014年春 初日(東京-西舞鶴)その1-西岐阜、京都、二条、日吉、胡麻、下山、和知、綾部、高津(東海道本線/山陰本線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】
鉄旅日記2014年3月21日その1・・・西岐阜駅、京都駅、二条駅、日吉駅、胡麻駅、下山駅、和知駅、綾
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その1‐三次、上下、府中(福塩線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月26日・・・三次駅、上下駅、府中駅(福塩線) 2020・7・26&nb
