*

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】初日(東京-紀伊田辺)その2-滝原、三野瀬、尾鷲、宇久井、田並(紀勢本線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年3月2日・・・滝原駅、三野瀬駅、尾鷲駅、宇久井駅、田並駅(紀勢本線)
14:14 滝原(たきはら)駅(紀勢本線 三重県)
3駅続けて数分の停車時間がある。
ここでは行き違いで8分止まる。

こののんびり旅がオレにはたまらない。

紀勢本線は亀山~新宮間は非電化で単線。
さっき降りた三瀬谷は特急停車駅だが、特急に乗っても名古屋までは約2時間を要する。
先を急げない事情を持った土地がこの国にはごまんとある。

リニア新幹線だの何だのと言っていることが、オレにはとてもアホらしく感じる。

滝原宮は伊勢神宮内宮の別宮とのこと。

インターネット地図で紀伊半島を上空から眺めると、ほとんどが山地であることが見てとれる。
あるいは伊勢からここまでの山地のすべてが神域なのではとの思いがよぎる。

黒潮が流れる海はまだ見えない。

より花粉を感じるようになり、彼女から二通目の返信が届いた。

15:00 三野瀬(みのせ)駅(紀勢本線 三重県)
ひとつ手前の紀伊長島に差し掛かる頃から黒潮流れる海が見えてきた。

かつて眺めた長島港の造船所。
浮かぶ巨大タンカーは錆を浮かせ、まるで置き去りにされたかのようにそこにあった。

その脇ではコンビニが営業している。
普段の仕事を思えば人様のことをとやかく言えた義理じゃないが、その光景を健気に感じて、視線は次なる入江へ向かった。

列車行き違いで14分の停車。
暖かな日差しの下に列車は停車している。



ダウンを脱いで半袖姿になる。

彼女とオレはどんどん親密になっていく。

15:45 尾鷲(おわせ)駅(紀勢本線 三重県)
20分の停車。

海辺までは行けず、コンビニでビールを買って引き返す。

前回降りた時よりも町は廃れて見えたが、車通りの少ない駅前通りを子供たちが元気に駈けていた。

子供が笑顔でいる風景には救いがある。



車窓から見える尾鷲湾は絶景と言っていい。

中部電力の塔が風景にアクセントをつけている。

町からもあの風景を目にすることはできないものかと、さっきは歩いていったんだよ。





スマホに残したこれらだけじゃ、とても足りない。

17:18 宇久井(うぐい)駅(紀勢本線 和歌山県)
九鬼、賀田、新鹿。
かつての旅で、わずかな停車時間の内に降りた駅を過ぎていく。

熊野市駅では海岸まで往復できるほどの停車時間を持ったこともある。

新宮から熊野川を渡って次の鵜殿駅まで歩いた前回。
熊野川渡河の際に現れる景色も絶景と言える。

新宮での乗り継ぎ時間は2分。
紀伊田辺行きに乗り換える。

新宮からは電化路線となるが、紀伊田辺までは変わらず単線。

新宮を出るとすぐに黒潮海道が車窓に広がる。

いつの間にか空は曇り、車内は年若な者たちに占められた。

この駅で行き違い3分の停車。

街道に接した駅前だった。

次の駅が那智。
そしてひと駅を間に置いて紀伊勝浦。

同じように紀勢本線で下ってきて、太地で引き返した前回の紀伊半島旅。

今回は和歌山まで行くよ。

18:23 田並(たなみ)駅(紀勢本線 和歌山県)
紀伊浦神あたりの海辺の集落に打たれてスマホを構えた。


熊野灘を飽かずに見入る。







串本での乗降はわずかで、列車は静かに進路を北へと変えた。

乗ってきた若者たちは一様に眠りに落ちて、2両の乗客はそれぞれ10名ほど。

本州最南端の車窓に写るものは見えず、闇が下りた一帯をひたすら北へ向かっている。

行き違い5分の停車。

駅舎には磯釣りへと誘う古い地図が描かれている。

駅前に串本病院の送迎バスが入ってきて、人を下ろすのかと思いきや180度に方向を変えて走り去った。
たんに方向転換のために入ってきたようだ。

関連記事

「鉄旅日記」2018年神無月【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】最終日(松本-辰野-天竜峡-岡谷-東京)その1-松本、辰野、北殿、伊那市、伊那福岡、伊那本郷、上片桐、飯田、天竜峡(篠ノ井線/中央本線辰野支線/飯田線)

鉄旅日記2018年10月8日・・・松本駅、辰野駅、北殿駅、伊那市駅、伊那福岡駅、伊那本郷駅、上片桐駅

記事を読む

「鉄旅日記」2019年年始【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】最終日(一ノ関-東京)その2-本吉、柳津、前谷地、石巻、宮城野原、仙台空港(気仙沼線/石巻線/仙石線/仙台空港鉄道仙台空港線)

鉄旅日記2019年1月6日・・・本吉駅、柳津駅、前谷地駅、石巻駅、宮城野原駅、仙台空港駅(気仙沼線/

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】3日目(姫路-十三)その1-山陽姫路、山陽網干、飾磨、大塩、高砂、山陽垂水、垂水、滝の茶屋、山陽塩屋、塩屋、山陽須磨(山陽電車本線/山陽電車網干線)

鉄旅日記2017年8月13日・・・山陽姫路駅、山陽網干駅、飾磨駅、大塩駅、高砂駅、山陽垂水駅、垂水駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】初日(東京-高山)その1‐金町、東京、高尾、藤野(常磐線/中央本線)

鉄旅日記2020年3月20日・・・金町駅、東京駅、高尾駅、藤野駅(常磐線/中央本線) 2020・3・

記事を読む

「鉄旅日記」2007年皐月【夜汽車に乗って東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】最終日(岡山-東京)-岡山、長船、明石、米原、大垣、沼津、平塚、北千住、東京葛飾(山陽本線/赤穂線/東海道本線)

鉄旅日記2007年5月6日・・・岡山駅、長船駅、明石駅、米原駅、大垣駅、沼津駅、平塚駅、北千住駅(山

記事を読む

「鉄旅日記」2018年如月【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】最終日(直江津-六日町-大前-東京)その2-八色、浦佐、五日町、水上、後閑、上牧、八木原(上越線)

鉄旅日記2018年2月11日・・・八色駅、浦佐駅、五日町駅、水上駅、後閑駅、上牧駅、八木原駅(上越線

記事を読む

「鉄旅日記」2018年卯月【ときわ路パスでめぐる常陸旅でございます。】その3-佐和、友部、下館、騰波ノ江、下妻、石下(常磐線/水戸線/関東鉄道常総線)

鉄旅日記2018年4月25日・・・佐和駅、友部駅、下館駅、騰波ノ江駅、下妻駅、石下駅(常磐線/水戸線

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】初日(東京-多治見)その4-古虎渓、釜戸、美乃坂本、多治見(中央本線)

鉄旅日記2019年3月23日・・・古虎渓駅、釜戸駅、美乃坂本駅、多治見駅(中央本線) 18:23 古

記事を読む

「鉄旅日記」2006年晩秋【浜名湖へ。そして飯田線に乗って、友に会いにいったのでございます。】初日-掛川、尾奈、リステル浜名湖(東海道本線/天竜浜名湖鉄道)

鉄旅日記2006年11月3日 2006・11・3 リステル浜名湖239号室 飲みすぎた翌朝。

記事を読む

「車旅日記」2004年春【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】最終日(稚内-旭川空港)走行距離353㎞その1-稚内サンホテル、稚内公園、ノシャップ岬、サロベツ原生花園、サロベツ河畔、パンケ沼、下沼駅、幌延駅、雄信内駅

車旅日記2004年5月5日 2004・5・5 8:03 稚内サンホテル325号室 とうとう4日目

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その4‐置賜、高畠、米沢(奥羽本線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・置賜駅、高畠駅、米沢駅(奥羽本

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その3‐仙台、北山、葛岡、山形(仙山線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・仙台駅、北山駅、葛岡駅、山形駅(仙山線

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その2‐水戸、いわき、原ノ町、鹿島(常磐線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・水戸駅、いわき駅、原ノ町駅、鹿島駅(常

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その1‐松戸、土浦、友部(常磐線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・松戸駅、土浦駅、友部駅(常磐線) 20

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】最終日(速星-東京)その4‐藤枝、静岡、熱海、上野、北千住(東海道本線/常磐線)

鉄旅日記2020年3月22日・・・藤枝駅、静岡駅、熱海駅、上野駅、北千

→もっと見る

    PAGE TOP ↑