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「車旅日記」2001年黄金週間 2日目その1(京都-志賀-京都)-祇園まで彼女をさらいに行ったのでございますが・・・【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

公開日: : 旅話, 旅話 2021年

車旅日記2001年5月4日

彼女は右手を投げ出してオレの体に置く。そうしたかったのか寝ぼけているのか最後まで分からなかったけど、その手を握りしめる。

強い日差しが彼女を照らすままに、ずっとそうしていた。抱きしめたかったけど状況は許さず、彼女の手を握りしめている。それでよかった。会えないかもしれないと思っていたくらいだから。幸せな時だったよ。

やがて車内が暑くなり、たまらず彼女は起き上がる。もうそうはしていられない。二人が一緒に眠ったのは1時間ほどだった。彼女の職場は大阪大学。近くまで送ることにして再度天王山トンネルを抜けて今度は吹田ジャンクションまで。またしても懐かしいという言葉が浮かんでくる。そこはかつて友に会うために車を走らせた場所。

中央環状線に出て堺方面へ。JR茨木駅まで送ってほしいというのが彼女の要望。かつて友と待ち合わせた場所は忘れてしまったが、オレの土地勘は信じていい。茨木市役所の表示が出たところを左折してしばらくすると見覚えのある道に出た。そこは友に先導されて走った道だった。すぐそばに彼と奥さんが暮らしていたアパートがある。

友はそれから山口に帰り、縁は絶えたのだと忘れていた道。彼女と一緒にいるのにそんな感慨が表に出ることはないけど、こうして思い起こすと人生とはとても面白く奥深いものだと思う。

車はJR茨木駅に到着した。「今夜店にいくよ。仕事が終わったら、一緒に琵琶湖の畔にいかないか?」「うん、いいよ」。そう言い残して彼女はバス停へと。彼女の後姿を見送りながら今夜が最高の夜になることを願い、信じた。

舞鶴に行く話はこれでなくなり、満足に眠っていないから、まずは知っている場所まで移動してひと眠りすることにした。琵琶湖大橋のたもとにある道の駅。そこまで。

地図も見ず、京都への表示に従い1号国道を探した。そして伏見、京阪国道口、堀川五条、山科。山科から大津に抜けるあたりでは渋滞。バイパスに向かおうと思ったけど、視界に並ぶ車列にうんざりして大津市内へ。

大津には路面電車が走っているのか。高知、広島。そうした街の風景を思い出す。やがて湖畔の道へ。

161号国道。琵琶湖大橋までは上下線とも混む。あの時だけはオレも音を上げたかったに違いない。頭が働くはずもない。道の駅に到着すると近江牛の食事とビール。湖には多くの人が集まり、みんな晴れ晴れとしている。オレは倒れ込むように車に戻り眠った。

途中暑くなり、起きて窓を全開にしてまた眠った。そこからはとても心地いい眠りだった。

湖西の志賀にあるマンションまでの道はスムーズに流れ、途中コンビニでビールと若干の食料を買い、迷うことなく到着できた。

8階の部屋は素晴らしく広く、今夜ここに彼女を連れてくることを思うと興奮を隠せない。部屋からの眺めも悪くない。坂本に暮らす彼女も、こうした琵琶湖の眺めをそうは目にしたことはないだろう。喜んでくれるに違いない。

テレビをつけて大阪近鉄×福岡ダイエーの試合を観る。大阪近鉄贔屓の放送に、ここは本当に関西なのだと感じる。ビールを飲んで、シェラフにくるまってまた眠った。考えることは何もなく、夜の行動に備えようと思った。

どれほど眠っただろう。起きると外はすっかり暗くなっている。鏡を見るとひどい顔をしていた。シャワーの使い方に苦心しながら長かった一日の垢を落とす。ひげを剃るとようやく満足できる顔に戻った。

出かけよう。彼女に会いにいくために。彼女をさらってここに連れてくるために。

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