「車旅日記」2001年盛夏 3日目(高松-松山)-高松東急イン、道の駅瀬戸大橋記念公園、 箕浦駅、西条市がんば亭、松山東急イン【思い出深き四国初上陸でございます。福山に帰省していた友と待ち合わせ、いつも想っていたのは京都の彼女のことでございます。】
車旅日記2001年8月13日・・・高松東急イン、道の駅瀬戸大橋記念公園、 箕浦駅、西条市がんば亭、松山東急イン
2001・8・13 9:33 高松東急イン
昨夜のことがあったから今朝のオレの頭の中も俗っぽい。本来なら旅の途中に求めるべきものじゃなかった。
路上に戻れば旅人に戻れるだろうか。
初めてといっていい四国の人情にある意味恐怖感があるけど、それじゃシカゴからニューオリンズへの旅などとんでもない。もっとタフでいるべきだ。
今日は松山まで。
11:33 さぬき浜街道-瀬戸大橋記念公園(道の駅) 914km
11号国道を松山方面に走り出して、忘れ物の存在を強く感じ、高松駅に引き返した。
海、港。もっと高松を感じたかったんだ。忘れ物に気づいてよかったよ。
高松港からは宇野行、小豆島行のフェリーが出ていく。旅立つ光景はいつ見てもいいものだ。
汽笛が聞こえる。大勢の人が港を後にしようとしている。
空は今日もよく晴れている。一点の曇りもない。自分の暮らす街を離れるのに適した日。港まで下りることなく、港に通じる歩道橋からしばらく高松港を眺めていた。
すぐ右に出っ張っているのは屋島。その先に小豆島。とても大きな島だ。クライアントでもある証券会社が支店を置いているのも分かる。
さらに正面、左にも島々が見てとれる。どの島にも暮らしがある。幸せな気持ちで高松を離れた。旅の感覚を取り戻し、海沿いに敷かれた県道へ向かった。
エリック・クラプトンはやっぱりいい。計画通りの気分になれた。
瀬戸内の海はとてもきれいなエメラルドグリーン。あんな海に飛び込めたらどんなにいいか。車を止めて海を眺めたかったけど、道が細くて断念した。
そしてたどり着いたのは瀬戸大橋の真下。かつて列車でこの橋を渡った。あの時も天には神がいた。でも今日は空が笑っている。もしくは気持ちよく昼寝している。とてもよく晴れているんだ。
巨大な建造物に接して、「スゲエナ、コレハ」とつぶやく。今日は24時間グッド・タイムスだ。
轟音を響かせながら列車が四国から本州へ乗客を運ぶ。神がいる空へ近づいていく。
13:10 箕浦駅 967㎞
道路に現れる表示上の不手際に少し苛立ったけど、走ってきた讃岐の景観にすべてを許した。北陸にいる時の気分と一緒だよ。
瀬戸内海にはいくつも島が浮かんでいる。一体いくつあるのだろう。いつどこで見ても海には島々が点在している。
今日のロードにも海があって、その脇を鉄道が走る。なぜこの景色が好きなのか説明ができないが、列車の車窓からこんな景色を眺めたいと思っているのと、線路に旅情を感じているのだろう。トンネルも好きだよ。トンネルのある風景といった方がいいか。
今日も暑い。蛇口をひねるとあたたかい水が出てくる。
海はなだらかに青い。砂浜は少し赤くて湿り気を含んでいそうだ。
このルートを走っていて思うのはまだまだオレには走るべき道があるということ。
面白くなってきたよ。
14:50 11号国道‐西条市がんば亭 1018km
愛媛に入ると11号国道沿いには巨大な工場群が現れ異臭が漂う。製紙工場をはじめとした工業地帯だ。
混雑を避けるのと海に近くにいたかったことから地図で県道の方向を探った。不思議と11号国道上空には暗雲が垂れ込め、海岸線はエメラルドグリーンの海とともに陽光に照らされていた。
くだらない思いはなかなか消えないが、それでもこうして讃岐、伊予の瀬戸内ロードを走っていることを考えれば、東京でのことはすべて意味のないことのように思えてくる。また最初からはじめてみようと思えてくるんだ。
四国から見る瀬戸内の海とはさっきお別れした。明日は本州から同じ海を眺めよう。
本場の讃岐うどん。とても美味かったよ。
23:00 松山東急イン 1070㎞
この街が好きでたまらない。市内の地図を見ていてまるで飽きない。
ここに書き残しておきたいことはたくさんあるけど、胸がいっぱい何も浮かんでこない。
松山でも盛大な祭が行われていて、お城がある山上と南堀端でその光景を眺めた。花火もしっかり目に納めた。忘れないだろうけど、決して忘れたくない。
毎週欠かさず見ているテレビドラマを見ていて、名もなき人々のことを思った。注目されることなどないけど、頑張って汚れ役もこなしている。そこに現在のオレを重ねようとしているのかもしれない。
おかしな夜になったけど、これでいいさ。好きな街が今のオレに伝えてくれたことだと思うべきだ。
できることなら明日は早く起きて朝食前に散歩したい。これまで多くの街にいたけど、こんな気持ちになったのは初めてだ。
11階から街を見下ろすと、まるで銀座のようにタクシーが列を作っている。大街道の入口を若者たちが出たり入ったりしている。
彼等にはこの文化都市で暮らすことを誇りに思って、この先しっかり生きていってほしい。
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