「車旅日記」2001年盛夏 最終日(松山-東京)その2-新倉敷駅、相生駅、明石SA、桂川PA【思い出深き四国初上陸でございます。福山に帰省していた友と待ち合わせ、いつも想っていたのは京都の彼女のことでございます。】
車旅日記2001年8月14日・・・新倉敷駅、相生駅、明石SA、桂川PA
16:30 新倉敷駅 1248㎞
旅先での友との再会とは、いいものだ。去年の記憶もまた近いものになった。
一年振りに会った彼の恋人は、今じゃ彼の生涯の伴侶。時間はそのように進んでいる。
2号国道はさすがに幹線道路だけあって、景色は平板で見所に乏しい。途中新幹線を見かけ、バイパスからこの駅の存在に気づき立ち寄った。倉敷市郊外のとても小さな駅だ。
新幹線の改札口で桃を売っている女性は、まさに桃のように愛らしかった。
18:38 相生駅 1337㎞
高梁川、吉井川。2号国道にもあったよ。オレの好きな景色が。
吉井川と並走している時がクライマックスだった。脇にはやはり線路が敷かれている。
そのクライマックスは木曽川で感じた時と同じですぐに尽きてしまったけど、クライマックスとはそういうものだ。
空を見た。ずっと真っ青だった空も夕暮れ時を迎えて白く変わりつつある。夜が近い。途中いくつか銭湯を見かけたけど、あまりにも気分がよくてそのまま走ることにした。
2号国道も楽しかったよ。そうしているうちに岡山県は抜けた。もう兵庫県。ここは街の中心部から外れたところに位置しているのか周囲には何もない。
ただ新幹線も在来線も通っている。その脇を2号国道が流れている。そしてオレの身に感傷的な寂しさが訪れる。
そろそろ潮時だ。空を見れば分かるよ。駅の階段を下りる時に、新幹線でこの駅に降り立った一団と遭遇した。みんな帰り支度をしている。
オレも帰ろう。もう少し走ったらハイウェイに乗ろう。ずっと楽しかった。最高だったよ。
20:13 第二神明道路 明石サービスエリア 1391㎞
日暮れは姫路で迎えた。バックミラー越しに山陽の山々の色が変わっていく様子が見えた。
旅にはいろんな景色がある。少しでも見過ごすまい。そう思ってずっと車を走らせていたよ。
2号国道を走っていると姫路からバイパスになり、加古川を通り、ここまで100円で来ることができた。関西の道路事情はまだよくつかめていないけど、これは素晴らしいシステムだ。
早々に山陽道に乗るつもりでいたけど、途中気が変わり神戸、大阪ルートにした。これだから旅はいい。コテコテの関西勢との遭遇だ。阪神高速を走るのは初めてになる。
ようやく彼女にメールを送れた。2日前の高松でのものだ。今日のは京都に着いたら送ろう。楽しい旅を報告しよう。
旅とはあまり関係ないが、道理も何もなく明石という地名が好きだ。関西をイメージするのにちょうどいい。かつて宇部の友と食べた明石焼きには感銘を持たなかったが、明石にいることを記しておきたかった。そうした理由でここにいる。
22:34 名神自動車道 桂川パーキングエリア 1482㎞
月見山トンネルから明石神戸線は混み始めたが、思ったような騒ぎじゃなく、JR神戸駅あたりから六甲沿いに延びる神戸、芦屋、西宮の夜景を見ながら楽しくやっていたよ。
ストーンズは関西の街並にもマッチして、神戸はどこをとってもきれいで、まるでひとつの芸術作品のようだ。
明石海峡大橋が見えた時は「帰ってきたぜー」と叫んだ。2日前はあの橋を渡って四国へ上陸したんだ。
そして京都市の表示が見えた時にも同じように叫んだ。3度もだ。そう、彼女が暮らす街に戻ってきたんだ。特別な思いがある。
今回彼女に会わずに帰るのは残念だけど、ストイックな楽しさを味わったよ。高松での夜を除けばね。
名神の明かりが好きだ。西宮からここまでずっとつながっている。
初めて通る吹田までの道も、おもちゃ細工のような千里、吹田ジャンクション、中央環状線のあたりも、高槻バス停を底とする上下坂も、天王山トンネルも、そしてここ京都桂川PAも。
みんな大好きだ。なぜか安心する。そしていつも懐かしい。いつでもここに戻ってきたいと思っている。
彼女にも同じようなことを伝えたよ。ついでにこのまま東京に帰ることも。
オレも旅慣れたもので以前のように怯える気持ちもなくなった。明石で隣に車を止めていた福山ナンバーの青年は神経質に見えたけど、彼も6年前のオレと同じように、何かを思い立って明石までたどり着いたのかもしれない。
そうだとしたら彼のために素晴らしい旅を祈りたい。オレは最高だったからね。
さあ、思い残すことはない。東京に帰ろう。
まだ500kmの道程が残っている。
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