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「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】最終日その2(岩倉-東京)-笠松、新羽島、岐阜羽島、羽島市役所前、西笠松、新木曽川、名鉄一宮、玉ノ井、萩原、日比野、弥富、近鉄弥富(名鉄本線/名鉄竹鼻線/名鉄羽島線/名鉄尾西線)

公開日: : 最終更新日:2019/07/08 旅話 * 結婚後2015年

冒険家志望のあなたへ【1話】

 

鉄旅日記2015年3月8日その2
9:38 笠松(かさまつ)駅(名鉄本線/名鉄竹鼻線 岐阜県)
岐阜で乗り換え。各務原線はここで行き止まりになる。

改札を抜ければ、かつて歩いた懐かしいアーケード街。
朝から往来は激しく、人々の装いからは、もはや寒さに怯える態度は見られない。

名鉄本線に乗るには別のホームへと階段を上がらなきゃならない。
ロングシートに腰掛けて携えていたパンを齧り発車を待った。

ここ笠松は木曽川堤に近く、競馬場があるとのこと。
駅には果物屋が入っている。
昔は方々の駅前に果物屋があったものだ。
南大泉に越してきた頃は保谷駅前にも古い果物屋があって、ロータリーの新設によって他の店舗が消えていく中、ひとり抗うように孤塁を保っていたことを懐かしく思い出した。

10:21 新羽島(しんはしま)駅(名鉄羽島線 岐阜県)
竹鼻線の車窓からは伊吹山がよく見えるが、付随する景色に変化は見られない。
概して退屈な眺めだった。

岐阜羽島駅はさすがに人の姿が多く見られる。
ただ、ティーサロンに客の姿はなく、そばの値段は駅そばにしては値段が高かった。
名古屋きしめんと味噌煮込みうどんがセットになった土産を買って、ぶらぶら歩いたらあっという間に用意していた時間が終わろうとしている。

新羽島駅の高架ホームから地上改札まで、おそろしく長い階段をさっき下ったところだ。
駆け上がるのに2分をあてる必要がある。

最近は用を持たないが、遠い街へと誘う新幹線駅が持つ雰囲気は、空港に対して持つ気持ちと同様でとても好きだ。

岐阜羽島(ぎふはしま)駅(東海道新幹線 岐阜県)にて

10:27 羽島市役所前(はしましやくしょまえ)駅(名鉄竹鼻線 岐阜県)
新羽島から笠松に戻る列車に乗っている。
名鉄羽島線とは新羽島から江吉良駅までのひと駅の区間を指し、江吉良から笠松までが竹鼻線だという。

ここで2分の停車。
いかつい顔をしたオッサンが腕組みをして目の前に座っている。
月並な表現だが、切れ長の鋭い目は刃物を思わせる。
気に入らないことだらけの世の中で、さらにこのあたりじゃあまり見かけない、軽薄な旅行者がひとり紛れ込んできたことを憤るかのような視線をオレに向けている。
どうもそのように感じて落ち着かない。

市役所の姿は見ていない。
駅を撮ったら急いで列車に戻らなきゃならない。
2分とはそういう時間だ。

10:42 西笠松(にしかさまつ)駅(名鉄竹鼻線 岐阜県)
ここでも2分の停車。
従って風景を記憶することはできない。
駅前通りは狭かった。
行き違いの列車が到着するため遮断機が降りている。
その前にパトカーが停車していた。
なんというつまらない記憶だろう。
だが西笠松駅に降りたという記録は残った。
それはオレにとって大いなる収穫となる。

暇な時に考える全鉄道会社線による最長片道切符の旅は、この駅も通っていく。
次が笠松。

10:59 新木曽川(しんきそがわ)駅(名鉄本線 愛知県)
笠松で名鉄本線に乗り換える。
ここで数分の停車。

山内一豊生誕地を謳う町がここにもある。
土佐藩の元祖にあたる人物だが、英雄的な存在ではない。
大河ドラマの影響とはかくも大きい。
GINZA街がある狭くて賑やかな駅前風景。
ラーメンに味噌煮込みうどん。
名古屋だな。

ここは名鉄にとって重要な駅なのだと着いてすぐに分かった。
具体的には特急停車駅で、各駅停車との乗換駅としての機能を持っている。

さっき車窓から眺めた笠松競馬場が醸し出す草競馬の趣こそ素晴らしい。
競馬場について語る言葉を多く持たないが、心に残る非未来的空間だった。
その感動の後に木曽川を越えた。

11:12 名鉄一宮(めいてついちのみや)駅(名鉄本線/名鉄尾西線 愛知県)
この旅で一番の人波に遭遇する。
一宮とはこれほどの街だったか。

今日はとてもあたたかく、尾張人の装いはとても軽やかだ。

尾西線に乗り換えて、終点の玉ノ井駅に向かう。

11:25 玉ノ井(たまのい)駅(名鉄尾西線 愛知県)
出発前に地図で位置を確認して、ここが木曽川の畔近くだと知った。
着いてみたら川の気配はなく、どこにも行けず、何もない。
まさに終わりを告げられたような終着駅だ。

簡素な駅舎の前に自転車が雑然と置かれた様に、埃っぽいような湿っぽいような匂いを嗅いだ。
駅前風景であれほど好ましくないものはないと感じている。

11:54 萩原(はぎわら)駅(名鉄尾西線 愛知県)
高架駅の一宮を出ると街が貧相になっていく。
ガード下はひたすらに薄暗く、人気も見えない。
ここはまだ一宮市内。
商店街の歓迎門が降りた客を迎えるが、実質たこ焼き屋しか見当たらない通りがある。
そこに人が集まっている。
その姿は春の到来を喜んでいるように見えた。
いずれにしても人々が笑い合う姿をそこに見た。

ここで数分の停車。
あたりは随分鄙びてきている。
名古屋近郊でこんな農村風景を目にするとは思っていなかった。

東海道本線からも関西本線からも見えない風景を見ている。

12:25 日比野(ひびの)駅(名鉄尾西線 愛知県)
この駅に降りることを決めた理由はただひとつ。
得意先で同じ姓を持つ女性を思い出したからだ。
仕事で随分と世話になり、とても大切に思っている人だ。

養老山地が見えている他は特筆できるものは何もないけれど、こんなにもあたたかな日にはとても気持ちよくなれる場所だ。
何もなければ煩わしさもない。
前記の人を思い浮かべて、体に触れる風も心地よく、こんな気分になれてとても幸せな気持ちでいる。

彼女が今どこにいるのか探しだして、会いにいきたいと思っている。
ご先祖様はきっとこの地にいたのだろう。

12:47 弥富(やとみ)駅(名鉄尾西線/関西本線 愛知県)
8年前にここで一度降りている。
あの時はJR線を使った。
駅前は変わっていないように見えた。
当時から廃屋になった姿を晒していた伊勢屋旅館は今もそのままの姿で、微妙な表現になるが健在だった。
再びその姿をケータイに記録する。

ゼロメートル地帯の弥富には駅が2つある。
角をひとつ曲がったところにある近鉄駅にはちょっとした商店街があり、コンビニでビールを買う。
それでJR駅に戻れば時間は尽きて、一度通り過ぎた津島への鉄路を戻る。

行きには気付かなかった廃駅「弥富口」を高架上に視認する。
大都会近郊だというのに。
名古屋にも苦労がある。

近鉄弥富(きんてつやとみ)駅(近鉄名古屋本線 愛知県)にて

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